『店頭レポート』
JR大阪三越伊勢丹 ブランド編集で見せる店舗力
update: 2011/05/09
ハードに行き過ぎず、ファッション性も考慮した
5月4日、大阪・梅田のJR大阪駅ビル内に、JR大阪三越伊勢丹がグランドオープンした。総売り場面積は約5万m2。元々、三越北浜店が移転する手筈だったが、百貨店統合の影響で「三越伊勢丹」という看板に変わった。全国初、関西初といった目新しいブランドは少ないが、売り場の構成力――商材の編集力、什器の完成度により、うまく“らしさ”を醸し出している。スポーツ売り場はゴルフ、アウトドア、トラベルが一体になった複合型だ。
同日、三越伊勢丹のほかに、隣接するビルにファッションビル「ルクア」も開業した。大阪ステーションシティのノースゲートビルディングの西側に三越伊勢丹が、東側にルクアが位置する。ちなみにサウスゲートビルディングには大丸梅田店が出店している。
三越伊勢丹はJR大阪駅、バスターミナルと連絡しているため、各フロアのレイアウトは一様ではない。2-4階には大きな吹き抜けが設けてあり、非日常感や高級感を演出している。下層階は例によってレディスの化粧品、雑貨、ファッションで構成。地階には「イセタンガール」が入っている。6-7階の中層階には宝飾品、呉服、美術、子供服、リビング品を展開。8-9階がメンズである。最上階10階はレストラン街。全体のバランスは典型的な百貨店のそれと大差はない。
正直、細かく見ていけば周辺百貨店とバッティングするブランドは存在する。しかし、伊勢丹新宿店で実施した、ブランド色を極力排し店舗・売り場の統一什器のイメージに合わせる編集方法が功を奏して、重厚で高級感や落ち着きのある売り場に仕上がった。
伊勢丹新宿店で展開している商材を再編集した個所も散見される。「リ・スタイル」などの自主編集売り場がその最たる例。8階のメンズビジネス売り場もしかり。同階のインテリア・雑貨の「インスタイル レジデンス」は、新宿店メンズ館8階の「イセタンメンズ レジデンス」の要素をベースにしている。