国内ベースボール市場を俯瞰する（下）
外資ブランド、日本市場のベースボールを重視
update: 2012/08/09
特定アイテムを強化する動きも
伝統と実績をベースにする
「ローリングス」
近代の日本において、スポーツ発展の一翼を担ってきたのがベースボールだ。歴史が長い分、エンドユーザーへの浸透度は大変高い。ビジネスの面から見ても流通経路が確立され、市場開拓も十分になされてきた。外資ブランドも日本市場におけるベースボールを重視している。
ローリングス、グラブ軸に日本人ニーズを取り込む
アシックスと袂を分かち、来年から本格始動するローリングスジャパンの強化アイテムはグラブだ。硬式、軟式、ソフトボールと全てのユーザー層に対し商品をラインナップする。グラブ以外のアイテムでも、日本市場のニーズを盛り込んだ。「アメリカでNO1のシェアを獲得している実績を糧にMade for the Japaneseを融合させることをポイント」にする。
日本のベースボール市場については、米国本社も非常に重要なマーケットと位置付けている。少子化によるジュニア層の野球離れが叫ばれているが、依然として世界で米国に次ぐ第2位の規模を有している。中でも高校生市場は前年を上回る競技人口を維持し、日本のプロ野球や米国メジャーリーグの人気は衰えていないと分析。高品質・高機能を求めるユーザーが増えているため、今後はより本物志向が高まってくると予測する。メジャーリーグのオフィシャルサプライヤーであるブランドの歴史と伝統をベースに、日本市場向けに作られた商品で他社との差別化を進める。
ポテンシャルの高い高校生層でシェアを確保するためにも、「ジュニア層に力を入れることが必要」だと考えている。また、40代以上の年齢層から支持を集めているそうで、父親世代に当たるこの客層に再度アプローチするマーケティングプランも実施予定だ。
販路は引き続き、大手量販店や地域専門店での展開を想定している。セールスをはじめ、商品やバックアップスタッフを配置し、来年からの本格参戦に向けて組織を整えた。
