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東洋紡STC、渡邉紘志 取締役執行役員 繊維事業総括部長 兼インナー事業部長
「組織の総合力を発揮する」

update: 2018/07/20

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生地売りを重視、再強化図る

今年12月には、従来は原則、事業部ごとに開催していた展示会を、横軸でまとめた「総合展」として新たに開催する計画だ。一体化した組織の強みを発揮するため、社内外へ向けた象徴的な取り組みである。

「折角、1つの組織体になったのだから、その総合力を発揮するべきです。総合展には様々なシナジーが期待できます。新しい顧客が見つかるかもしれないし、新素材開発のヒントが見つかるかもしれない。社内向けでは、組織の壁を取っ払った総合展を開催することで、現場スタッフの意識が変わってくれることも期待しています」

昨今、素材メーカー各社が力を入れている製品OEM事業については、やや保守的な方針だ。本丸の生地開発を再度強化しようと考えている。

「製品のニーズはもちろんありますが、やはり我々の本分である生地売りを強化・優先していきたいと考えています。主要顧客には製品対応を続けますが、素材開発にこだわりたいと思います」

天然性の風合いを活かした複合糸や、主にアウトドアのアウターの表地などに使用される高密度ナイロン織物など、色々な強みが発揮できる素材を持つ同社。自社開発できる点がメリットだと言うが、コストが高くなる点が弱みだという。

「海外の協力工場などを活用し、自社開発の高機能性と適正なコストによる素材、生地を提供していくことが当面の取り組み課題です。新組織のシナジー(効果が表れるの)はこれからだと思いますが、総合力を活かして収益力を高めていきたいと思います」

略歴 渡邉紘志(わたなべ・ひろし)氏 1964年6月生まれ。88年4月、東洋紡績に入社。2015年3月、東洋紡績ブランドアパレル事業部長。東洋紡STC、スポーツアパレル事業部長。16年4月、東洋紡績 繊維製品事業総括部ブランドアパレル事業部長。東洋紡STC、繊維第1事業総括部長兼インナー事業部長。18年4月、東洋紡 繊維製品事業総括部長。東洋紡STC、取締役執行役員 繊維事業総括部長兼インナー事業部長。