国内上場スポーツ企業5社、2025年3月期 第1四半期まとめ──全社で増収を達成、過半数の企業が増益に
update: 2024/08/30
国内上場スポーツ企業5社の2025年3月期第1四半期(4-6月)をまとめた。全社で増収を達成したほか、過半数の企業が増益に至った。コロナ禍の影響は完全に払拭され、コスト増の逆風はあるものの、着実な成長が見られる。
コスト増のコントロールが重要に
対象にしたのは、美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの5社(順不同)。いずれも3月期決算で、6月末に第1四半期を迎えた企業だ。デサント、ゴールドウインを除く3社が増益となった。コスト増のコントロールが重要になってきている。
ミズノの第1四半期は、連結売上高607億8,300万円(6.3%増)、営業利益が64億9,800万円(21.6%増)と過去最高額を更新した。経常利益も73億9,800万円(16.9%増)と2ケタの増益。四半期利益も51億3,500万円(10.0%増)で2ケタの増益。営業・経常段階で、利益率が2ケタ台に到達した。地域別では、「日本」が増収。「米州」の営業利益が過去最高額を更新した。「アジア・オセアニア」も過去最高の収益だった。
デサントの第1四半期は、連結売上高274億8,200万円(1.2%増)と微増収。日本の直営店などDTC事業が伸びたこともあり、売上総利益率(粗利率)は、62.3%(1.5ポイント増)と改善した。店舗や流通戦略の見直しなどで先行投資を進めた影響で、販管費率が上昇した。販管費増の影響を受けて、営業利益が6億8,300万円(65.0%減)減益。海外の持分法による投資利益25億円の計上により、経常利益は34億5,500万円(23.0%減)と減益幅が小さくなった。「デサント」ブランドが国内外共に堅調。国内の卸業態の苦戦が影響し、「ルコックスポルティフ」「ムーブスポーツ」などが苦戦した。
ゴールドウインの第1四半期は、連結売上高246億100万円(6.3%増)と堅調な推移。販管費率が高まったことから、営業利益は18億3,900万円(18.8%減)の減益となった。経常利益は、韓国の持ち株会社、ヤングワンアウトドアの持分益が貢献し、42億5,800万円(2.1%増)の微増益。四半期利益も36億6,000万円(9.4%増)と増益を達成した。事業区分別の売上高では、主力の「ライフスタイル」が146億6,800万円(9.7%増)とけん引役になった。
ヨネックスの第1四半期は、連結売上高310億6,700万円(11.0%増)。前年同期比に続いて、第1四半期として過去最高の売上額を更新した。営業利益は33億1,900万円(19.6%増)の増益。経常利益も37億3,400万円(15.1%増)と回復した。四半期純利益も27億9,700万円(15.4%増)で2ケタの増益となった。