主要国内上場スポーツ企業5社、2023年3月期 連結決算まとめ──全社で2ケタの増収増益を達成
update: 2023/06/05
主要国内上場スポーツ企業5社の2023年3月期連結決算をまとめた。全社で2ケタの増収増益を達成した。コロナ禍の影響から完全に脱し、回復・成長基調に乗った。円安の底上げ効果もあったが、過去最高収益に達した企業も多く、“ポスト”コロナ禍のビジネスモデルの構築がうまく行っているようだ。
“ポスト”コロナ禍のビジネスモデルを構築
対象にした企業は美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの5社(順不同)で、いずれも3月末に2023年3月期を迎えた。円安による売上額増の影響もあったが、過去最高の収益を挙げた企業も多く、経費のコントロールも進んでいることをうかがわせる。
ミズノは2ケタの増収増益。連結売上高2,120億4,400万円(22.8%増)、為替の影響で87億円上振れした。売上総利益率(粗利率)は38.2%(3.2ポイント減)と低下したが、販管費率が32.1%(3.6ポイント減)と抑制されたこともあり、営業利益が129億4,500万円(31.1%増)と過去最高益を更新した。日本ビジネスとフットウエアがけん引役になった。
デサントも2ケタの増収増益。連結売上高1,206億1,400万円(10.8%増)、粗利率も57.4%(1.8ポイント増)と改善した。販管費率は前年並みの推移。営業利益は77億9,300万円(51.7%増)とプラスに転じた。経常利益、当期純利益が過去最高益を更新した。アスレチック分野、「デサント」「ルコックスポルティフ」ブランドがけん引した。
ゴールドウインは2ケタの増収増益で、過去最高収益を達成した。中期経営計画の利益数値を3年前倒しで達成した。創業以来、初の売上高1,000億円台に到達した。他社と比較すると国内事業が大半を占める同社だが、店頭を中心に売り上げが好調に推移した。「ライフスタイル」分野がけん引役となった。持分法適用会社の韓国ビジネスも貢献した。
ヨネックスは2ケタの増収増益。主力のバドミントン用品がけん引役になったほか、地域ではアジアが好調だった。全カテゴリーで増収した。連結売上高は1,070億1,900万円(43.7%増)の増収で、過去最高額を更新。営業利益が100億6,300万円(49.3%増)で過去最高益となった。主力のバドミントン事業がけん引役になった。