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主要スポーツ上場5社、2021年3月期 『第2四半期』を展望する(下)
通期では黒字化予想の企業も

update: 2020/10/30

スポーツ上場5社、2021年3月期 第2四半期 業績見通し(表1)

スポーツ上場5社、2021年3月期
第2四半期 業績見通し(表1)

主要スポーツ上場企業5社の2021年3月期(2020年度)の『第2四半期』決算の展望。第2四半期の業績見通しでは、全ての対象企業が減収・損失計上になると見ている。通期になると、黒字回復する予測が増えてくる。下期の業績が通期の収益のカギを握っている。

第2四半期は軒並み、減収損失計上の見通し

スポーツ上場5社、2020年3月期 第2四半期 セグメント別売上高一覧(表2)

スポーツ上場5社、2020年3月期
第2四半期 セグメント別売上高一覧(表2)

対象の企業は、美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ゼット、ヨネックスの計5社(順不同)。参考に、決算期が異なるアシックスの決算見通しも一覧に加えた(別表を参照)。

対象企業の第2四半期(4-9月)決算は、数値が未開示の社を除き軒並み、減収・損失計上の見通しだ(表1を参照)。数値を公表している3社(デサント、ゴールドウイン、ヨネックス)の売上高はいずれも30%台の減収の予想である。損益面では、営業・経常・四半期各段階で損失を計上する見通し。各社で損失額に幅はあるが、前年度の黒字から赤字に転落する。

一方、通期の業績見通しでは、減収ながら利益を確保できる企業が増える。デサントは2ケタの減収予想だが、5億円の営業利益、5億5,000万円の経常利益を予測している。ヨネックスは売上総利益(粗利)が回復すると見ているが、大会協賛などのマーケティング費用が増加することを見越し、営業損失9億円、経常損失4億円の計画だ。

スポーツ上場5社、2021年3月期 業績見通し(表2)

スポーツ上場5社、2021年3月期
業績見通し(表2)

ゴールドウインは、主力の「ザ・ノース・フェイス」ブランドを中心に国内販売が順調に回復していることを踏まえ、通期見通しを上方修正した。前年度の実績と比べるとマイナスだが、営業利益81億円、経常利益96億円と1社のみ頭抜けている。コロナ禍で危機的な状況下において、図らずも高収益体制が現れた形だ(表3を参照)。

なお、ミズノ及びゼットの通期見通しは、第2四半期業績の開示と共に公表されるとみられる。また、12月期のアシックスは、減収・損失計上の見通しだ(表3を参照)。各社はどこまで、業績を回復できるだろうか。(終り)