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主要外資系スポーツメーカーの業績展望 Vol.4「UNDER ARMOUR」
黒字体質に改善、巻き返しを狙う

update: 2020/01/31

Under Armour、2018年度・2015年度 財務数値一覧(表1)

Under Armour、2018年度・2015年度
財務数値一覧(表1)

外資系スポーツメーカーの本決算ラッシュを控え、主要各社の業績を展望する。最終回は「UNDER ARMOUR」(アンダーアーマー社)を取り上げる。昨年度は組織の構造改革に伴う経費「Restructuring and impairment charges」(リストラおよび減損の費用)が嵩んだことから、営業損失を計上していたが、2019年度(2019年12月期)に入り、ようやく黒字回復してきた。第3四半期までは増収・黒字回復と業績は復調している。

主力は北米、他地域の売上比率も増加中

アンダーアーマー社の業績比較には、2018年12月期および2015年12月期の数値を使用した。2015年度(2015年12月期)の売上収益は39億6,300万米ドル(4,597億800万円、1ドル=116円で換算)。3年後の2018年度(2018年12月期)には51億9,300万米ドル(約5,660億3,700万円、1米ドル=109円で換算)と売上規模が拡大している。前回取り上げたプーマ社に近い数字だ(利益はずっと少ない)。

Under Armour、2018年度・2015年度 部門別・地域別売上高(表2)

Under Armour、2018年度・2015年度
部門別・地域別売上高(表2)

損益面は、前述の通り「Restructuring and impairment charges」(リストラおよび減損の費用)の計上が影響し、2018年度は営業損失2,500万米ドル(約27億2,500万円)を計上するに至った。2015年度は営業利益4億800万米ドル(473億2,800万円)を計上していた。

地域別の売上高では、引き続き「North America」(北米)が主力である。しかし徐々にではあるが、北米以外の売上高も増えつつある。2015年度に90%近かった北米の売上比率が、2018年度には約70%にまで下がっている。「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)および「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)地域の売上規模がほぼ同じである(表2を参照)。

部門別の売上高では、主力の「Apparel」(アパレル)がけん引役になっている。強化商材の「Footwear」(フットウエア)も徐々に売上規模が増えてきた。グループ企業化した「Connected Fitness」が2018年度にようやく黒字化した。

Under Armour、2019年12月期 第2四半期 []財務数値一覧(表3)

Under Armour、2019年12月期 第2四半期 []財務数値一覧(表3)

2018年度は厳しい1年となった同社。2019年度からは反転攻勢に移っている。第3四半期までは順調に業績が回復してきている。今期も飛躍の年にしたいところだ。(終り)