TOP > 財務分析レポート > 国内主要スポーツ上場企業5社、2019年3...

国内主要スポーツ上場企業5社、2019年3月期 連結決算まとめ(下)
国内市場主体の2社が健闘

update: 2019/05/22

ゴールドウイン、中期経営計画、 目標数値一覧(表1)

ゴールドウイン、中期経営計画、
目標数値一覧(表1)

国内主要スポーツ上場企業5社の2019年3月期(2018年度)の連結決算をまとめた。飽和が進み、新規市場のパイが開拓しにくいと言われている国内市場において、好調に業績を伸ばしたのがゴールドウインとゼットだ。特にゴールドウインは、売り上げ・利益共に2ケタの成長を達成した。

ゴールドウインはアウトドアが絶好調、中計を上方修正

対象としたのは、国内の主要なスポーツ上場企業5社(ミズノ、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット)。今回は主にゴールドウイン、ゼットを取り上げる。

ゴールドウインは、売上高が23年ぶりの過去最高値、利益も各段階で過去最高値を達成した。主力のアウトドア関連ビジネスがけん引役になった。2018年秋冬シーズンは暖冬傾向だったが、効率的に市場ニーズを取り込めた結果、予想を上回る増収を達成した。

直営店や自主編集売り場の貢献度も大きいが、スポーツ専門店などを主体とした卸ビジネスも伸びている。アウトドアのシリアスユーザーを対象とした商品企画が、着実に支持を集めているようだ。主力ブランド「ザ・ノース・フェイス」を軸に、展開するアウトドアブランドが好調だが、タウンユースを取り込んでいることに加え、ハイエンドのシリアスユーザー向けの商材が支持されている面もプラス要素である。

主要スポーツ上場5社、2019年3月期 連結決算 財務数値一覧(表2)

主要スポーツ上場5社、2019年3月期
連結決算 財務数値一覧(表2)

今回の好決算を受けて、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画の数値目標を上方修正した(表1を参照)。国内市場を主力としたスポーツ企業において、これだけ順調に成長を続けている事例はたいへん珍しい。通期は1ケタの成長と、保守的な予測を立てている。確実な需要が顕在化した時点で、供給するという手堅い運営方針である。

一方、ゼットは増収増益を達成した(表2を参照)。主に自社品の野球関連が収益の改善に貢献した。「コンバース」ブランドのバスケットボールビジネスは苦戦した。シウラスポーツからの事業譲渡による相乗効果も、ライフスタイル系分野において見受けられた。(終り)