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スポーツ主要小売店、2016年度決算まとめ(下)
出店か退店か──店舗展開の方針に格差

update: 2017/06/13

主要スポーツ関連小売店5社、本決算 業態別店舗数(表1)

主要スポーツ関連小売店5社、本決算
業態別店舗数(表1)

スポーツ関連商材を扱う主要小売店の2016年度決算まとめ。増収を達成した企業と伸び悩んだ企業の間には、店舗数の増減も関係している。不採算店舗をスクラップして効率化を図るケースもあれば、売上規模を目指し出店を継続するケースもある。

収益性への影響も大

対象にした小売店は5社(アルペン、ゼビオホールディングス、ヒマラヤ、メガスポーツ、エービーシー・マート=順不同)。アルペンは決算期が6月期のため前期の実績を、ヒマラヤは8月期のため同じく前期の実績を使用した。ゼビオHDは2017年3月期、エービーシー・マートおよびメガスポーツは、2017年2月期の最新の実績を使用した。

主要スポーツ関連小売店5社、本決算 財務諸表(表2)

主要スポーツ関連小売店5社、本決算
財務諸表(表2)

アルペンの期末(2017年6月期第3四半期)の店舗数は、425店。出店が3、退店が12で、店舗総数は9減少している。その影響もあり減収だったが、効率が進んで増益を達成した。

ゼビオホールディングスの期末(2017年3月期)の店舗数は743店。出店が41、退店が20という内訳だが、そのほかに70店で改装を、16店で業態変更を実施している。売上高は0.9%増と前年並みにとどまったが、利益面では2ケタ増の増益を達成した。

ヒマラヤの期末(2017年8月期第2四半期)の店舗数は143店。出店が5、退店が17で、総店舗数は12減っている。店舗数が減ったにもかかわらず、売上高は3.9%増と伸びており、効率化が進んでいることをうかがわせるが、利益面では損失を計上するに至った。売上高総利益率(粗利率)の低下が影響したようだ。

エービーシー・マートの期末(2017年2月期)の店舗数は906店(国内)。海外を含めたグループ全体では、1,141店(出108、退24)になる。国内店舗906店の内訳は、出店が69、退店が12で、差し引き57店の増加だ。海外(韓国、台湾)では27店増と出店が続いている。店舗数は順調に増えているがその半面、収益性が鈍化してきた。

「スポーツオーソリティ」を展開するメガスポーツの期末の店舗数は167店。32店の増加である。「スポーツオーソリティ」が133店(23増)と増加したほか、昨今力を入れているスニーカー主体の新業態「コーナーズ」も34店(13増)と順調に店舗数が拡大している。増収には貢献した店舗増だが、利益面では経費増というマイナス要因が表れた。(終り)