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勢いが加速する外資系スポーツメーカー④
プーマ、今期は堅調なスタートを切る

update: 2016/05/09

puma、 2015年12月期 財務諸表

puma、
2015年12月期 財務諸表

PUMA(プーマ)グループは、アンダーアーマー、アシックスと世界第3位のポジションを争っている。前期2015年12月期はフットウエアおよびランニング・トレーニングがけん引役になって増収を達成した。その半面、利益は経費増などが影響し減益だった。今後、けん引役になるカテゴリーとして、ウイメンズ市場を掲げる。

収益性の改善が課題

プーマはほかの外資系メーカーよりも比較的、収益性が低い。前期も、売上高は2ケタ増だったが、経費増の影響もあって、利益面が伸び悩んだ。財務面の効率性指標は安定している。前売りの活性化が当面の課題だと考えられる。

プーマが先ごろ公表した2016年12月期(2016年度)の第1四半期決算は、売上高が8億5,100万ユーロ、日本円でおよそ1,038億2,200万円(1ユーロ=122円で換算)、3.7%増と堅調な推移だった。EMEA(欧州・中東・アフリカ)と、Asia/Pacific(アジア・太平洋)が貢献した。Americas(米州)は現地通貨ベースでは増収だったが、ユーロベースでは0.3%減だった。

アイテム別売上高は、各部門(フットウエア、アパレル、アクセサリー)でそれぞれ増収を達成した。また利益面では、売上高総利益率(粗利率)は46.8%(0.1ポイント減)とほぼ横ばい。営業利益(EBIT=利払い前税引前利益)は4,100万ユーロでおよそ50億200万円、10.1%増と2ケタ伸ばした。

今シーズン(2016年度)は1ケタ台後半の増収を見込んでいる。粗利率は前年並みの水準──45.5%を計画している。営業利益は1億1,500-1億2,500万ユーロ(前期は9,600万ユーロ)を目指す。期首の業績見通しに変更はない。

歌手のリアーナを起用した取り組みは一定の成果を挙げている。リアーナをブランドのアンバサダーに据えて、ウイメンズ市場の開拓にも力を入れる。(終り)