TOP > 企業レポート > デサントと東洋紡STCが共同開発 日本製...

デサントと東洋紡STCが共同開発
日本製の高機能フェンシングウエア

update: 2019/10/25

デサントと共同開発した 日本製フェンシングウエア。 東洋紡STCの超高強力ポリエチレン繊維 「イザナス®」を採用

デサントと共同開発した
日本製フェンシングウエア。
東洋紡STCの超高強力ポリエチレン繊維
「イザナス®」を採用

デサントと東洋紡STCが共同で、日本人の体型を考慮した高機能フェンシングウエアを開発した。耐久性や安全性、着心地などを考慮した素材やパターンを採用している。日本製のフェンシングウエアとしては初めて、国際フェンシング連盟から承認を受けた。

国際フェンシング連盟から初承認

以前のフェンシングウエアは海外製が主流で、日本人選手の体型に合ったウエアがなかったという。洗濯による“縮み”が発生しやすく、改善すべき個所が複数あった。

こうした課題を解決するべく、フェンシングウエアのジャケットとパンツ向けに、デサントと東洋紡STCが共同でオリジナルの国産素材を開発した。東洋紡STCの超高強力ポリエチレン繊維「イザナス®」を使用し、ポリエステル繊維と混用することで、洗濯収縮の少ない素材を開発。「イザナス®」の強度を保ちながら、着やすさも同時に実現した。オランダのDSM社と共同開発したスーパー繊維の「イザナス®」。以前は「ダイニーマ®」と呼ばれていた同素材は、2016年に「イザナス®」と商標を変更した。

「イザナス®」は、ピアノ線のおよそ8倍の強度を持った超高強力ポリエチレン繊維。衝撃吸収性や耐光性、耐薬品性に優れている。吸水による劣化がなく、水に浮く軽量素材だ。船舶用ロープや釣り糸など、耐久性が要求される用途で幅広く採用されている。

デサントは同社が大阪に拠点を置くアパレル開発施設「DISC」(ディスク)で、フェンシング競技向けウエアのパターンを作製した。立体的なパターンで、フェンシング競技の動きに追随しやすい構造が特長だ。

縫製はデサントの国内工場で行った。国際フェンシング連盟が公認試験として定める“貫通試験”をクリアし、耐久性と安全性が認められて、同連盟から日本製フェンシングウエアとして初めて承認を受けた。

デサントはウエアに加え、専用のソックスも開発した。靴の中で滑りにくく、グリップが利きやすい素材や構造を考慮した。ウエアおよびソックスは、今後は来年の東京オリンピックも見据え、日本代表選手への提供を視野に入れている。