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ゴールドウイン 「ゴールドウイン」ブランド
新しい一面を発信する節目の年に

update: 2017/01/10

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スキーウエアの企画、展開方法も一新

レイヤードスタイルを提案する スキーウエア

レイヤードスタイルを提案する
スキーウエア

スキーウエアの企画や展開方法も一新した。慢性化する暖冬傾向の影響もあり、ビジネスの規模が縮小傾向にある。「ゴールドウイン」ブランドでは、2014-15年シーズンから、世界規模での拡販を念頭に置いて、商品企画やその構成を大幅に改めた。ボリュームゾーンだった上下セットで上代価格が3万円台という商品を休止し、6万円以上の高価格帯に絞り込むという構成に切り替えた。シーズンをまたいで生産・販売される“良き定番品”にする狙いがあった。しかし、急な方針転換だったこともあり、小売店の理解が進まないマイナス面もあった。

16-17年シーズンは、高価格帯から手ごろな価格のものまで3段階に構成し直した。ジャケット(上着)でトップレンジが5万9,000-6万円、中価格帯で4万-4万2,000~3,000円、学生・チーム向けが3万4,000-3万5,000円である。この結果、ボリュームゾーンの価格は上下セットで7万円弱になる。従来の低価格帯を止めて、中~高価格帯に集約した形だ。取扱店の数は減ったと言うが、より専門性の高い店舗と深い付き合いが出来るようになった。先日、展示会を開催した17-18年シーズンは、約30%の増収を計画している。

14-15年シーズンから、機能インナー、中綿のミドラー、防水透湿のアウター(いわゆる“シェル”)を重ね着する“レイヤード”スタイルを提案している。従来の着こなしと異なるため、なかなか市場に浸透しないという苦労もあるが、前述のように世界市場の開拓も見据えた取り組みである。ブランドイメージを統一し、「同じ顔で店頭を揃える」(新井事業部長)ように努力している。併せて上代も統一できるように腐心している。

ブランドのイメージ刷新とライフスタイルという新しい商材の投入。流通面では、価格競争に巻き込まれないための商品企画、上代設定の見直しを実行した。徐々に動き始めた「ゴールドウイン」ブランドの強化策がどこまで効果を表すのか、今年の推移が興味深い。