TOP > 企業レポート > 主要上場スポーツ関連小売店の決算まと...

主要上場スポーツ関連小売店の決算まとめ(中)
得意分野の比率で明暗が分かれる

update: 2016/06/02

アルペン、2016年6月期第3四半期 財務諸表

アルペン、2016年6月期第3四半期
財務諸表

主要上場スポーツ関連小売店の決算は、暖冬の影響で収益が伸び悩む傾向が強かった。前回のレポートの通り、ゼビオホールディングスは暖冬の影響をうまく乗り切ったが、マイナスの波を被った企業もあった。

アルペン、ウインターの減収が足を引っ張る

前回、取り上げたゼビオホールディングス(3月期)は、うまくウインターの減少を吸収して、総合力で乗り切った。アルペン(6月期)は、第3四半期が終了したばかりで、途中経過ではあるが、そのウインターの影響が大きく、営業利益を大幅に減らしてしまった(別表参照)。

通期の業績を見ないと正当な評価は下せないが、昨秋冬商戦──なかでもウインタービジネスの不振が足を引っ張ったことは間違いない。「アルペン」の屋号でスキー、スノーボードショップを強みにしてきた同社だが、気候要因でマイナスに触れてしまった第3四半期だった。

アルペン、2016年6月期第2四半期 財務諸表

アルペン、2016年6月期第2四半期
財務諸表

アルペンの2016年6月期の通期見通しは、連結売上高2,247億円(2.6%増)、営業利益27億円(11.8%減)、経常利益35億円(23.3%減)の増収減益である。利益率が減少するという見立てだ。

しかし一方で、第3四半期においては、一般スポーツ用品およびゴルフ用品の既存店売上高は前年比を上回った。ゴルフシューズでプライベートブランドの強化が功を奏したことなど、商品企画がエンドユーザーに受け入れられた。

ゼビオホールディングスと比べて、アルペンの決算期が異なるため、シーズン性の高いアパレルビジネスが及ぼす影響も同等ではない。現段階では、アルペンの業績推移は芳しいものではないが、通期では好転する要因も残されている。

第2四半期における数値だが、財務面の深刻な問題は当面、見当たらない(別表参照)。販管費理の削減も進んでいるほか、商品回転率も改善している。あとは、店頭=前売りが回復すれば──つまり、プロパー消化率が高まればということだが、収益性は改善していくと考えられる。(続く)