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ユニチカトレーディング
機能素材営業部 部長
藤井 義智(ふじい・よしとも) 氏

糸から製品までの一貫提案をグローバル化

update: 2015/06/08

──市況と2014年度について。

高付加価値の小ロット製品を販売する一方で、国内を中心にニッチな分野を攻めてきました。細かいクイック対応ができるような体制を採っていたが、2014年度はアゲンストの風が吹きました。特に超高級ゾーンがあまり芳しくありませんでした。ゴルフは決して悪くはありませんでしたが、一部ブランドの苦戦もあり、頭打ち状態でした。

為替の後押しもあり、輸出ビジネスは健闘しました。ポリエステルの風合い重視の製品が好調でした。良い部分と苦戦した部分が相殺されて、前期は増収・微減益の結果でした。

生地輸出の比率は10-15%程度で、韓国や中国向けが増えています。売れているのは秋冬向けの織物です。一部アウトドア向けも含まれていますが、耐水圧の高い高機能素材ではなく、前述の通り、風合い重視の生地です。10月から4月辺りまでのシーズン向けがメーンです。

──2015年度の見通し、取り組みは。

ちょうど今は16年春夏向けの“刈り取り時期”に当たりますが、SPAなど非スポーツ分野で拡販の芽があります。中国やベトナムの内販ビジネスを増やせればいいのですが…。整ってきた素材から製品までの一貫提案体制を推し進めていきます。

──2016年秋冬へ向けた一押し素材を教えてください。

一押し素材は「タクティーム®」です。持続撥水機能をブランド化した“コンセプト・ブランド”で、生地の表面構造で撥水性を発揮します。生地の風合いは柔らかく仕上がっていて、スポーツの観戦着などに最適です。また、遠赤外線効果による保温素材「サーモトロン®ラジポカ」は秋冬シーズンの定番素材です。春夏のクーリング素材「こかげ マックス®」と対を成しています。

──スポーツ以外の新規分野の可能性について。

前期はスポーツ関連が減った分、カジュアルが増えました。現在、カジュアルSPAと色々な製品の企画で取り組みを進めていますが、まだ伸び代はあると感じています。

──アピールポイントは?

ビジネスのグローバル化です。中国、ベトナム、インドネシアの海外現地法人を中心とした、糸から製品までの一貫した提案ビジネスが増えてきました。現地の協力工場と力を合わせ、売れる体制が整ってきました。

糸から製品までのトータル提案を、中国に加えてアセアン地域でも拡大させたい。体制の整備により、海外の商売の芽が出始めています。積極的に伸ばしていきたいと思います。

イチオシ素材

タクティーム®

タクティーム®

“持続撥水”機能を持つコンセプト・ブランド。微捲縮の素材で、表面の微細な凹凸が水滴と生地との接触面を減少させ、
高い持続撥水性能を発揮する。