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旭化成せんい スポーツ素材 2013年春夏
動きやすさ・吸水速乾性を重視

update: 2013/04/15

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13年春夏で2つ目の強化素材は、「シュアドライマックス-β(ベータ)」。吸汗速乾素材に、再生セルロース繊維キュプラである「ベンベルグ」を併せた生地だ。肌面が吸水ポリエステル、中心が「ベンベルグ」、外側が拡散ポリエステルの3層構造。「ベンベルグ」には高分子吸収体を入れた。効率良く肌面の汗が放出されるため、ドライ感が長時間持続する。サッカーやゴルフウエアなど、長時間の競技用ウエアに採用されている。以前は「ベンベルグ」を直接、肌面に配して接触冷感機能を持たせていた。

3つ目の強化素材は高密度ニットの「リポスター」。薄くて軽く、動きやすいのが特徴だ。丸編みのジャージーなどに使用してきたが、今春からこの名称で再スタートを切った。4つ目は「ストローム」。継続素材で、一定の通気性と耐水圧性を持つ。蒸れにくく衣服内環境を快適に保つ機能がある。アスレチックやアウトドアにおいて、織物のウオームアップスーツなどに採用されている。

「ベンベルグ」の拡販に本腰

13年秋冬シーズンでは、「スパイエル」を提案した。これは弾性繊維が伸長する時に発する熱「伸長発熱」を利用し発熱機能を持たせたもの。生地が伸縮することにより発熱する。吸湿して発熱する生地は一般化しているが、こうしたアプローチの発熱機能はまだメジャーにはなっていない。最初にサポーター素材で採用され、今後はスポーツやインナーへも拡大していくという。

今後は特に“コンプレッション”系の素材を強化する。定番素材では春夏の必須機能である吸汗速乾を「テクノファイン」や「シュアドライ」素材でシェアを着実に確保する。

また主力素材の1つ「ベンベルグ」では、十分に展開できていないスポーツ分野の開拓に本腰を入れる。「シュアドライマックス-β」のように「ベンベルグ」は「オールマイティに使える素材」だという。あまり進出できていなかったスポーツ市場へ向けて、これから開拓が本格化する。