デサント ウインタービジネス
2013-2014年シーズン「デサント」「A7」
ブランド個性を明確にする
update: 2013/01/17
新しいイメージを発信する
13-14年シーズンモデルで両ブランドに共通した点は、新しいデザイン・スタイルの提案だ。ユーザーに対し目新しさを発信する狙いがある。
「デサント」はスイスアルペンナショナルチームに加え、新たにスペインアルペンナショナルチームとカナダのスキークロスナショナルチームのレプリカウエアを国内で展開する。グローバルに展開するイメージを国内市場にも反映させる狙いだ。加えて、デモ用ウエアにおいて新しいデザインを企画。全日本スキー技術選手権大会(通称、技術選)を3連覇した丸山貴雄選手と協業し、全身同じデザインのスキージャケットとパンツを作った。色は全身赤色で、従来のデモウエアのイメージとは一線を画している。
オーダーウエアでは、早期受注に限り2000円の追加でジャケットの色を替えられるサービスを提供する(通常は2万8000円。色選択は3万円。いずれも税抜き)。
今シーズン、好調なスタートを切った「N-Style」では、早期受注モデルで丸山選手、(技術選で優勝経験のある)金子あゆみ選手との協業モデルを企画した。またレディスラインでは、よりコーディネートを意識し、様々な着こなしのスタイルを提案。専用什器やPOPも製作し、店頭でのコーディネート提案を強化する。
「A7」は、フラッグシップモデル「build」(ビルド)を新たに企画した。ポリエステル(93%)とケブラー繊維(7%)を使ったマットな表情の素材「ダイナモナス」を採用。軽量で強度のある生地で、ポリエステルと綿の混紡生地と縫い合わせて、従来のスノーボードウエアにはなかったストリート系ファッションを髣髴とさせる仕上がりだ。国内の自社工場、水沢工場で生産しており、価格は4万7250円(税込み)。スノー専門店のほか、セレクトショップ系へもアプローチする。
「A7」で型数を絞り込んだことと、新たに「build」を提案したこととは連動している。今回の型数の絞り込みでレディス品番をユニセックスへ移行しレディスを減らしているが、「同ブランドに求められる要素がかわいらしいデザインではないと判断した」ためだ。強みのグラフィックやシルエットを女性向けに再構築。個性的な「build」を提案して、再度ブランドの個性やイメージを際立たせる狙いがある。
ブランドの個性発揮という観点では、3つのデザインチームとの協業モデルを企画したことが挙げられる。協業したデザインチームは、スイス・ベルンに拠点を置く「Buro Destruct」、英国・ロンドンが拠点の「NCC」、1996年から東京で活動する「POWER GRAPHIXX」の3組。上代価格はジャケットが2万5200円、パンツが2万1000-2万9925円(いずれも税込み)と比較的廉価に抑えられている。