グンゼ(株)取締役インナーウエア事業本部本部長 小澤七洋氏が語る
「アンブロ」の導入、スポーツ系インナーの拡充を目指す!!
update: 2012/05/07
今秋から、サッカーブランド「アンブロ」のアンダーウエアを発売するグンゼ。自社の専業メーカーとして培ったノウハウを活用したライセンス生産だ。メンズインナー市場でも“スポーツ”が大きなテーマになっていると分析しており、従来の顧客に加え新しい客層を開拓できる可能性がある。今後どのようにインナー市場を開拓していくのか、グンゼの小澤七洋取締役インナーウエア事業本部長に話を聞いた。
ウエルネス対応の商品企画を強化
グンゼは量販店を中心に、春夏の冷感機能商品群「クールマジック」、秋冬の発熱機能商品群「ホットマジック」、自社ブランド「ボディワイルド」、大人の女性の美容を意識した「キレイラボ」、「トゥシェ」などを軸にインナーウエア、レッグウエアを販売する。以前からスポーツ大型店との取引があり、スポーツチャネルの販売実績はあったが、本格的な機能性を付加した競技向けの商材は少なく、日常とスポーツの間に位置するアイテムが主体だった。
「量販店で自店舗ブランドのPB(プライベートブランド)志向が強まる中で、メーカー品であるNB(ナショナルブランド)の差異化がますます重要になっています。その差別化策の1つがウエルネス対応の商品企画の強化でした。メンズ市場では、スポーツという切り口がインナーでも大きなテーマになっていると思います。そのスポーツインナーを総合的に強化していく一環として『アンブロ』を導入しました」
サッカーブランドの「アンブロ」はスポーツメーカーのデサントがサッカースパイク、ウエア、アクセサリーなどの企画・販売を手掛ける。スポーツチャネルではデサントが展開しているため、グンゼは量販店チャネルが中心になる。売り場では競技志向の「アンブロ」、自社ブランドでカジュアルテイストの「ボディワイルド スポーツ」で住み分けを図る。
「『アンブロ』は本格的な機能性を提案します。『ボディワイルド スポーツ』はファッションの切り口で軽運動、カジュアルテイストで提案します。機能性やテイストの異なる2つのブランドで補完し合いながら、スポーツニーズを取り込みたい。ロンドンオリンピックが開催される前、6月から販売を始めます」
「アンブロ」の機能性はグンゼの独自のノウハウを採用した。ふくらはぎを段階的に編み上げた生地を使い、加圧による筋肉ポンプ作用の促進機能を持たせた。吸汗速乾、紫外線ブロックなど、スポーツシーンで必要不可欠な機能も付加した。トップスのシャツ、ボトムのタイツ、レディスのスポーツブラなどを企画した。上代価格はアイテムによって多少幅はあるが2100-3675円(税込み)とかなり廉価に設定した。「ボディワイルド スポーツ」もほぼ同じ価格帯。汎用性のある「スタンダード」モデルと、スポーツ仕様の「ソリューション」モデルの2タイプを作った。