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主要上場スポーツ5社、2021年3月期 “第2四半期” まとめ(下)
過半数の企業が通期で利益を確保する見通し

update: 2020/11/17

主要上場スポーツ企業5社、2021年3月期 第2四半期 セグメント別売上高(表1)

主要上場スポーツ企業5社、2021年3月期
第2四半期 セグメント別売上高(表1)

主要上場スポーツ5社の2021年3月期第2四半期決算まとめ。コロナ禍の影響により、苦戦する企業が大半を占めたが、通期では過半数の企業が、利益を確保できる見通しを立てている。第3四半期(10-12月)以降──秋冬商戦の動向がカギを握る。

カギを握る秋冬商戦

対象にした企業は美津濃(以下ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼットの5社(順不同)。いずれも3月期決算で、9月末に第2四半期を迎えた。4-9月のいわゆる“上期”の業績をまとめた。比較的、商品単価や売り上げの比率も高い秋冬商戦の推移が今後の業績のカギを握っている。

ミズノは各地域で軒並み2ケタの減収となったが、米州及びアジア/オセアニアでは利益を確保した。中国ビジネスの構造改革の効果も後押しした。「第1四半期では先が見通せなかった。初めての経験だったが、第2四半期(7-9月)は少しずつ復調していった」(水野明人 代表取締役社長)。

主要上場スポーツ企業5社、2021年3月期 第2四半期 通期業績見通し(表2)

主要上場スポーツ企業5社、2021年3月期
第2四半期 通期業績見通し(表2)

デサントは全地域・カテゴリーで減収となったが、「中国及び韓国のビジネスは既に施策を打っている。私の懸案は“日本”だけ。それさえ解決できれば、本来の成長路線に乗せられると考えている」(小関秀一 代表取締役社長)。今後、日本国内では直営店ビジネスを強化する方針。特に「デサント」ブランドにおいて、早期に50店舗まで出店数を拡大する計画だ。「簡単ではないと思うが、中期的には100店まで拡大させたい」(小関社長)と考えている。

ゴールドウインは5社の中で最も収益性が高い企業だ。他社と同様にコロナ禍の影響を受けたが、そのマイナス幅は小さく回復のスピードも速かった。主力の「ザ・ノース・フェイス」ブランドを中心に、しっかり顧客をつかめている点が強みのようだ。「実需型ビジネスへの転換が収益の確保につながった」(渡辺貴生 代表取締役社長)と分析している。直営店に加え、卸ビジネスの貢献も大きかった。ECの売り上げも順調で、厳しい商況下で健闘したと言えるだろう。

ヨネックスはアジア地域のビジネスが1ケタの減収、増益と健闘した。第2四半期(7-9月)以降は回復基調にあるが、通期の業績見通しは変更せず、手堅く見積もっている。(終り)