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外資系スポーツ企業 主要上場4社、2019年12月期まとめ(上)
各社が増収増益基調に

update: 2020/04/10

外資系スポーツ企業 主要上場4社、 2019年12月期 財務数値一覧(表1)

外資系スポーツ企業 主要上場4社、
2019年12月期 財務数値一覧(表1)

外資系スポーツ企業の主要上場4社の2019年12月期(2019年度)本決算をまとめた。対象はアディダス、プーマ、アンダーアーマー、アンタの4企業で、いずれも昨年12月に年度末を迎えた。4社共に増収増益基調だったが、年が明けて顕著になった新型コロナウイルスの影響は、業績にはほとんど反映されていない。

プーマが成長を持続、アンタは3位グループに肉薄

対象4社のうち、売上規模が頭抜けているのはadidas Group(アディダス・グループ)で、ナイキ社に次いで世界第2位である。2019年度の売上収益は、236億4,000万ユーロ(約2兆8,604億4,000万円、1ユーロ=121円で換算)、7.9%増と安定した推移だった(各社共、期末の為替レートを使用)。営業利益は、26億6,000万ユーロ(約3,218億6,000万円、同)、12.4%増と2ケタの増益となった。

ナイキ、アディダスに次ぐ3番手グループのトップに立っているのがPUMA(プーマ社)。2019年度の売上収益は、55億200万ユーロ(約6,657億4,200万円、1ユーロ=121円で換算)、18.4%増と2ケタの増収を達成した。営業利益(EBIT=税引前利払前利益)が4億4,000万ユーロ(約532億4,000万円、同)、30.6%増。税引前利益(EBT)も4億1,700万ユーロ(約504億5,700万円、同)、33.2%増で高い成長率となった。

前期(2018年度=2018年12月期)に損失を計上したUnder Armour(アンダーアーマー社)は、利益を圧迫していた「Restructuring and impairment charges」(リストラおよび減損の費用)の計上がなくなり、黒字を確保するに至った。売上収益は、52億6,700万米ドル(約5,688億3,600万円、1米ドル=108円で換算)、1.4%増と堅調に推移した。営業利益は2億3,600万米ドル(約254億8,800万円、同)、税引前損益は、2億900万米ドル(約225億7,200万円、同)とそれぞれ利益を確保した。

今回、初めて決算まとめに加えたANTA Sports Products Limited(アンタ・スポーツプロダクツ社=安踏體育用品有限公司)は急成長している。売上収益は、339億2,700万元(約5,089億500万円、1人民元=15円で換算)、40.8%増。アシックスの連結売上高3,780億5,000万円(2019年度)を抜いて、3位グループの一角に加わってきた。主力の社名ブランド「ANTA」(アンタ)や「FILA」(フィラ)がけん引役になっている。(続く)