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adidas AG、2019年12月期 第1四半期
「アディダス」ブランドがけん引、増収増益に

update: 2019/05/10

adidas、2019年12月期 第1四半期 財務数値一覧(表1)

adidas、2019年12月期
第1四半期 財務数値一覧(表1)

adidas AG(アディダスグループ)の2019年12月期第1四半期(1-3月)の連結決算は、増収増益を達成した。北米やアジア・太平洋地域が貢献した。利益率も高まり、高収益性へと改善が進んでいる。

DTCカテゴリーが高い伸び

グループ全体の売上収益は、58億8,300万ユーロ(約7,294億9,200万円、1ユーロ=124円で換算)、6.0%増で堅調な推移だった。主に「adidas」ブランドの貢献が大きかったほか、カテゴリーではトレーニング及びランニングが1ケタ台の高い伸びを示した。昨年開催されたサッカーワールドカップの反動が見られた。売上増には、「DTC」(Direct to Consumer)及びEコマースの成長も貢献している。DTC関連で2ケタの増収、ECは40%増と好調な推移だった。

売上高総利益率(粗利率)は53.6%(2.5ポイント増)と改善した。調達コストの低減、有利な通貨動向、商品と販路の適正展開などが貢献した模様。その結果、営業利益は、8億7,500万ユーロ(約1,085億円、同)、17.3%増と2ケタの増益を達成した。税引前利益は、8億4,800万ユーロ(約1,051億5,200万円、同)、13.2%増と同様に2ケタの増益となった。

adidas、2019年12月期 第1四半期 地域別・ブランド別売上高(表2)

adidas、2019年12月期
第1四半期 地域別・ブランド別売上高(表2)

地域別売上高では、「Europe」(欧州)地域が15億5,100万ユーロ(約1,923億2,400万円、同)、3.3%減と伸び悩んだ。「North America」(北米)は11億5,700万ユーロ(約1,434億6,800万円、同)、11.2%増と2ケタの増収となった。「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)地域は21億3,900万ユーロ(約2,652億3,600万円、同)、15.2%増と好調な推移だった。特にGreater China(中華圏)が16%増とけん引役になった(表2を参照)。

通期は、売上収益で5.0-8.0%増の推移を予想している。中価格帯のアパレル需要があると認識しているが、サプライチェーンの不足で充分に対応できていない状況。供給体制が整えば、さらに増収が期待できると予測している。