ゴールドウイン「チャンピオン」 2012年秋冬
見えてきたブレークイーブン
update: 2012/03/08
ゴールドウインのアスレチックブランド「チャンピオン」は12年秋冬でゲームウエア、チーム、ライフスタイルなどマルチな展開を強化する。軸足はバスケットボールという競技に置きつつ、周辺分野の各種商材を拡大する戦略だ。新しいアスレラインとして、「PLAYERS」(プレイヤーズ)を新たに立ち上げる。
「チャンピオン」は利益体質への転換を目指し、在庫の大幅削減など改革を実施してきた。その成果があり、損益分岐点(ブレークイーブン)が視野に入ってきた。早ければ今期(2012年3月期)に達成できる見通しだという。11年秋冬も対前年比130%で推移し、好調が続いている。
伸びている分野の1つがバスケットボールのゲームウエアで対前年比約150%。チームオーダーシステム「QR10」が好調だった。今春からはさらに色や素材を組み替えられる「QR10 カスタム」を新たにスタートした。そのほか今春から展開し始めたものがミニバスケットボールの昇華プリントモデル。ゲームウエアの主流になりつつあるという昇華プリントモデルでミニバス用サイズを10タイプ追加した。12年春夏からゲーム関連の売上倍増を目指している。
新ラインの「PLAYERS」は次世代アスレチック(競技)ラインに位置付ける。当初は展開店舗を絞り込んで販売する。ランニングテイストのスタイル提案も視野に入れている。「チャンピオン」ブランドの新しい切り口になる可能性を秘めている。
引き続き好調なのが魔裟斗をイメージキャラクターにしている「S-MODE」ライン。スポーツとモードを融合したテイストで、黒とゴールドの色目が特徴だ。12年秋冬からは機能性を高めたアイテムや、ダンスパフォーマンスウエアの展開も始める。
ジュニア層も強化
ジュニア層も強化分野の1つに掲げる。その1つが学販衣料。すでに中学校向けのスクール用ジャージーで新規に3校と契約を交わした。
既存の競技イメージと一線を画する形で展開を増やしている自主管理売り場は順調に拡大している。12年春時点でゼビオやスポーツオーソリティを中心に、55-60カ所に拡大し、今年中には70店にまで増える見通しだ。直営店は今年中に10店舗へ拡大予定。卸先の小売店とウインウインの関係を築きつつある。