スポーツ関連企業の合同展「SIMEx2019」
脱“顧客の囲い込み”、共同で集客を図る
update: 2019/06/26
スポーツ関連企業9社が集まり集客を図る合同展「SIMEx2019」(シーメックス)が6月に、東京と大阪で開催された。主要スポーツ企業では、自社製品を特定の顧客に提案する“個展”が主流だが、同展示会では企業の垣根を取り払い、共同で集客、受注を目指している点が目新しい。
東西で開催、小売店の出展も
「SIMEx2019」は、「Sports Innovation Meeting & Exhibition」の頭文字を取り、命名した。昇華プリントのユニフォームを製作するアクラム(奈良県北葛城郡)と、野球グラブメーカーのATOMS(奈良県桜井市)が発起人となり、実現した。今年1月に1回目の展示会を東京で開催。今回は2回目で、開催会場も大阪が加わった。出展社数は初回が5社で、今回は9社(大阪展は8社)と規模が拡大した。
出展社はいずれも事業規模が比較的小さく、大手企業のように1社で集客、受注を請け負うことが難しい面がある。共同で展示会を開き、顧客を共有し、受注を融通し合う仕組みができないかを模索する中、合同展の開催実現に至った。
発起人は前述の2社だが、主催は「参加企業の全員」(アクラム)という位置付け。互いに責任感を持ち、切磋琢磨して、取引高を増やそうという思いからだ。展示会のコンセプトは、“仕切り”を作らないこと、来場客をシェアすること。互いに顧客を紹介し合い、ニーズに適した受注を増やすというイメージだ。「得意分野の異なる数社が集まることで、1社では難しい仕事も受注する可能性が高まる」(同)。実際、契約が決まり、取引が始まっているケースが何件かあるという。