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旭化成せんい 2014-15年秋冬シーズン
「スポーツ&ライフスタイル素材」
世界初の機能性“伸張発熱”素材「スパイエル」を強化

update: 2013/06/13

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「PROTECT+Resist」。 円安傾向が「インパクト」の追い風に

「PROTECT+Resist」。
円安傾向が「インパクト」の追い風に

3つ目の「FIT+Compression」では、変動の少ない着圧で疲労回復とパワーの持続をサポーツする機能を持つ「エラクション-PRO(プロ)」が一押し素材だ。編み目ループの方向性を自在にコントロールできる同社独自の「ダイアモンド構造組織」(特許出願中)で、縦・横の急な動きにも着圧が安定している。プレーを妨げずに常に安定した着圧を持続する。もう1つの柱が世界初の機能性“伸張発熱”素材「スパイエル」。今回の展示会において、重点プロモート(奨励)素材に位置付けている。ポリウレタン弾性繊維「ロイカ」の機能糸と特殊な設計の組み合わせで、生地が伸縮することにより発熱する。吸湿発熱系素材とは発熱の構造が異なる。より動きの大きい肘や膝などの部位に使用すると効率的な保温効果が期待できる。

4つ目の「PROTECT+Resist」では、超軽量織物「インパクト」。最軽量モデルの「UT」、特殊加工糸による自然な風合いと色調を持つ「FT」、100回の家庭洗濯でも一定の撥水性を保つ「WR」、制電性を付加した「AS」の4シリーズをさらに拡充した。

旭化成商事との協業も視野に

4つの素材コンセプトのほかに、重点的にプロモートしていく素材も指定している。前述した「スパイエル」のほか、「モイステックス Hot」シリーズや「エラクション-PRO」、「シュアドライマックス-β」、「インパクト」シリーズを重点素材に位置付ける。

グループ企業で商社・製品生産機能を持つ旭化成商事との協業も視野に入れている。今回の展示会に出展したサンプルの約30%を旭化成商事の海外工場で生産した。規模はまだ小さいが、OEM(相手先ブランド製造)を受け付ける体制を整えている。東京展では、サンプルの完成度の高さが評価され、中堅メーカーが興味を示したという。

急な円安の影響はまだ表立ってきてはいないが、原材料を輸入する方が多い同社では価格転嫁の要請を始めているという。その一方で、「インパクト」は輸出が多いため、円安は追い風になっている。