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帝人フロンティア
衣料繊維第一部門 繊維素材本部
テキスタイル第一部 部長
中谷 太一(なかたに・たいち) 氏

グローバルの生産拠点・販売体制を強化

update: 2015/06/08

──市況と2014年度について。

前期は増収増益で、売り上げは15-20%増加しました。グローバルスポーツアパレルのビジネスのほか、国内は厳しいですが取扱量が減らなかった。利益面では、輸出がけん引役になりました。ニットを中心としたアスレチック系素材やアウトドアが堅調でした。継続した新素材開発が実を結んでいると感じています。苦戦したのは国内スポーツで、利益面は減少しました。円安の影響もありました。

生産の基軸が従来の中国からアセアンに移っています。中国での生産が段々、割りに合わなくなってきている。特に織物が顕著で、主力の南通も如実に変わってきていますし、ニットでもインドネシアを中心に、縫製部隊と一体で変化してきました。(円安のため)為替の面では日本の方が競争力はあると思いますが、製品を現地へ持って行くのに2-3週間かかる。協力工場も含め、現地で完結できる体制が重要になるでしょう。

スポーツ関連では、インドネシア(協力工場)とベトナム(独資)が生産の2大拠点です。顧客層は国内と海外に分けられます。海外は、求められる価格と機能性素材を供給するビジネスが主体。国内は、素材から製品までの一貫提案と、素材のみの提案とがあります。

──2015年度の見通し、取り組みは。

  苦戦傾向にある国内をテコ入れします。トータルに見渡して、国内と海外の扱い高をバランス良く展開しようと考えています。国内と国外の売上比率は、現状の7対3を6対4にしていきたい。また、グローバルな生産拠点の強化も絶対に必要です。販売体制も強化しますし、スポーツ以外への拡販も進めます。

──2016年秋冬へ向けた一押し素材を教えてください。

基幹テキスタイルブランドである「デルタ®」の幅出しです。編みと織り両方を展開する“高バランスファブリック”がコンセプトです。

──スポーツ以外の新規分野の可能性について。

スポーツカジュアルについては、競技に採用するかライススタイルに使用するかはメーカーの判断です。ただライフスタイルとの融合は進んでいると思います。シャツ地もやりたいと考えています。

──アピールポイントは?

機能性素材を全方位網で販売してきたい。我々は、糸から生産現場、営業体系まで、旧帝人の流れを汲んだ部隊だと自負しています。2015年度は“攻め”の年にしたい。今後2年くらいで、他社の追随を許さないビジネスに成長させたいと思います。これからオリンピック関連のイベントも増えてきますし、そうしたチャンスも生かしたい。

イチオシ素材

デルタ®

デルタ®

編みと織りを包含し、幅広い機能糸を使用したコンセプトテキスタイルブランド。様々な素材・組成の組み合わせが可能。
    海外展開でも最重要ブランドに位置付けている。