アウトドアを軸にする商業施設
「ALBi」、2015年度は堅調に推移
update: 2016/05/10
アウトドアを軸にする商業施設「ALBi(アルビ)」(大阪市北区梅田)の2015年度は前年比をクリアし、堅調に推移した。今春、さらにアウトドア関連テナントを補充し、強みのアウトドアショップの集積度を手厚くしている。
家族連れが多く訪れる
アルビは「ギャレ大阪」の屋号で運営していた商業施設を受け継いだ業態で、同施設の強みだったアウトドアのテナントを引き続き、重点的に誘致している。今春(4月22日オープン)も「フェニックス」「スノーピーク」「ピークパフォーマンス」の個性派アウトドアブランドをオープンした。
昨年、2015年度は前年比を上回り、堅調な推移だったという。前述のアウトドアテナントの誘致に伴う、一時的な閉店の影響も吸収し、前期は堅調な推移だった。主要顧客は40代前後の男性客だが、週末を中心に家族連れが多い。女性ファンも一定数、取り込んでいる。キャンプ需要が高まっている昨今のトレンドを意識して、テントなどの関連商材を取り揃えているテナントが堅調だ。
客単価は1万円を超えている。アウトドア関連のテナントが多いこともあるが、平均的な商業施設の中では、高い水準と言えるだろう。構成ショップは大型テナントの「モンベル」が“アンカー”になっている。そのほか、「ショッフェル」「ホグロフス」「マーモット」「フェニックス」など、近隣でコーナー展開をしていないブランドが揃っている点も強みだ。
好調なテナントは「フェールラーベン」。タウンユースも可能な「カンケン」バッグがけん引役になっている(以前、エスエスケイが代理店を担っていた)。核テナントの「モンベル」も健闘。「スノーピーク」「フォックスファイヤー」などは、顧客が付いているため、安定した動きだという。
課題は“認知度”の向上だ。今春、新たに「フェニックス」「スノーピーク」「ピークパフォーマンス」の3ブランドを導入したが、知名度が高まるのはこれからの状況だという。大阪・梅田地区には路面店や百貨店、「グランフロント大阪」などの商業施設内にアウトドア関連のテナントが集積しているが、現在のところ目立って競合している傾向はないという。中期的な課題になるが、個性派のアウトドアブランドを集積できている売り場環境をいかに発信していくかが、成功のカギになると思われる。