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カジュアル化するアウトドア市場

update: 2015/09/07

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機能性とファッション性が両立した汎用アイテム

前述の3ブランドに共通する点は、アウトドア愛好者が「これなら街でも着られる」と感じるウエアを企画していることだ(ファッション感度の高低ではない)。ここ数年のアウトドアブームにより、ファッション性に加え、機能美などアウトドアテイストのデザイン性を受け入れる素地がかなり醸成されてきた感がある。

ニューファミリー層ではキャンプという新しい切り口のアウトドアが浸透しているし、一時の勢いから比べると落ち着いたとはいえ、“野フェス”需要も少なくない。昨今では、雪山や標高の高い山登りだけでなく、低山登山やトレッキングといった日帰りスタイルのアウトドア需要も増えている。つまり、アウトドアがより“こなれて”、身近になってきたと言えよう。前述の通り、カジュアル化した時点でアウトドアブームは終焉を迎えた過去があることは事実だが、今回のカジュアル化は少し趣が異なるようだ。

アウトドア専門店や専業メーカーの役割・存在は今後も重要だろう。しかし、これら3ブランドのように、アパレルブランドのようなSPA体制の精度を高め、アウトドアの範疇を超えて、ブランド戦略に力を入れているケースの場合、トレンドの盛衰の埒外にあると見るべきかもしれない。