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国内ベースボール市場を俯瞰する(下)
外資ブランド、日本市場のベースボールを重視

update: 2012/08/09

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デサントはアパレルに重点

デサントは新しいトレーニングスタイルを提案する

デサントは新しいトレーニングスタイルを提案する

デサントはアパレルに重点を置く。13年春夏シーズンにおいて、「野球市場でのシェアの奪回」を目標に掲げる。伝統的に用具よりもアパレルを得意にする同社。得意分野のアパレルで再浮上を目指す。

ターゲットはシリアスプレーヤーで、特に高校生が主体になる。個人向けのプラクティスウエア、トレーニングウエアを強化する。ベースボールの新しいトレーニングウエアとして、「XGN」(クロス・ジェネレート)シリーズを新たに企画した。トレーニングの新しいイメージを発信する狙いがある。既存の「Move Sport」のように「デサント」ブランド横断型のシリーズに位置付ける。

アンダーウエアも強化アイテムの1つだ。身体の動きに合わせて各部の着圧を変えた「リラックスFITシャツ」で、肌当たり、汗処理機能を高め、快適な着用感をセールスポイントにする。来春から展開する「スキンズ」との住み分けは、着圧の高いモデルは「スキンズ」で、リラックスフィットは「デサント」で、着圧の違いで図ろうとしている。

レッドオーシャン化する高校野球市場

今回、8社に取材して共通していたところは、シリアス志向が高く競技人口も多い高校野球層を中心に攻めるという姿勢だ。高校野球はジュニア層の憧れであり、プロへの登竜門的存在でもある。売上規模の大きいあるいは資本力のあるメーカーは全方位型で市場にアプローチするが、2番手以降の規模の小さいメーカーは強化すべき点にめりはりをつけて効率化を図ろうとしている。

今回取材に応じてもらえなかった「アンダーアーマー」もベースボール市場に本格参戦すると言われている。現在は強みの機能アンダーやアパレル類、アクセサリーの展開にとどまっている。

商品企画のトレンドは軽量性が共通項。グラブやバットは操作性、スパイクは軽量性が重視されている。売り上げの伸び代があるのはアパレルのようだ。このアイテムを強化ポイントに挙げたメーカーは多かった。試合用ユニフォームから派生し、トレーニングウエアやプラクティスウエアなど応用できる幅が広いこと、グラブなどのように専門性がそれほど必要ではないことが主な理由と考えられる。

いずれにしても、来シーズンの国内ベースボール市場に対する関心は間違いなく高くなる。