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国内ベースボール市場を俯瞰する(下)
外資ブランド、日本市場のベースボールを重視

update: 2012/08/09

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アディダスは「格好良さ」がキーワード

アディダスの「adizero FIX METAL」

アディダスの「adizero FIX METAL」

アディダスジャパンのベースボールは、「Baseballをカッコ良くPlayする競技者に対して特化して商品開発を実施」している。基本的に全てのプレーヤー層を対象にする。「商品の品質と同じ比重で『カッコよさ』にこだわった商品を提供」する考え方だ。

2011年シーズンではバット、カラーグラブを強化した。その結果、用具類は前年比150%と好調だった。契約選手モデルのバット、斬新なデザインのカラーグラブなどが売り上げをけん引した。10年から継続強化しているスパイクは、足裏部分も立体曲面で構成した「ラウンドラスト」が支持を集め、150%と成長した。また、「adidas professional」のアパレルは130%と好調だった。

12年シーズンはスパイクにフォーカスしている。「アディダス」史上最軽量の「adizero Fix Metal」(アディゼロ フィックス メタル)で、埋め込みスパイクの優位性をアピール。従来のスパイクにはないスピード感をセールスポイントにしている。

今後、競合が増える市場環境については前向きにとらえている。「成熟し新規参入が難しい市場と言われるが、それは新しい商品を(プレーヤーが)知らないだけで、フィールドでどのように自分を表現するのかにこだわっているプレーヤーには十分に受け入れられる」と自信を持っている。

エスエスケイはスパイクとアパレルを重点強化

エスエスケイはスパイクとアパレルを強化

エスエスケイはスパイクとアパレルを強化

エスエスケイは好調な軽量スパイク「マキシライト」とアパレルを重点強化する。今期(2013年7月期)は107%の計画を立てているが、けん引役はスパイクとアパレルだ。アンダーウエアや、非対称デザインのTシャツなどが好調。市場になかったデザインが受け入れられたようだ。売上比率はアパレルが45%と半分近くを占める。シューズは15%、バットは20%弱。グラブが10%と少ない。

アパレルでは13年シーズンから、新しいデザインのトレーニングウエアを展開する。フード付きのトレーニングウエアはブルー、ピンク、オレンジ、ライムといったカラフルな色目で、従来のベースボールウエアには見られなかったカラーだ。大学生や草野球層がターゲットで、普段にも着られるウエアを目指した。ボリュームラインはベーシックなアイテムである。

草野球層では、アパレルのカスタムオーダーを立て直す。バットは「ハンター」シリーズで独自性のあるデザインを提案する。

シューズでは軽量モデルのスパイク「マキシライト」を引き続き拡販する。課題はグラブ。カスタムオーダーは伸びている。ウェブサイトへの訪問者も売り上げも伸びているが、全体の底上げが必要だ。