TOP > 注目パーソン インタビュー > ゴールドウイン 大江伸治 社長補佐 取...

ゴールドウイン 大江伸治 社長補佐 取締役 副社長 執行役員
精度高まった店舗運営、収益に貢献

update: 2015/06/29

< 前のページへ1ページ2ページ3ページ次のページへ >

コア&モアの推進で相乗効果図る

新しい業態「サタディ・イン・ザ・パーク」(SIP)は自社ブランドをベースにしたセレクトショップである。立地特性や地域性を鑑み、既存店舗の品揃えはそれぞれ異なっている。自社の異なるブランドが一緒になることで生まれる相乗効果もあるようだ。

「SIPも徐々に店舗が増えてきました。当社が展開している複数ブランドを複合したセレクトショップ型の店舗ですが、ブランド構成や組み合わせについては、例えばある店舗では『ダンスキン』のフェースを思い切って前面に出すなど店舗ごとにブランド展開に強弱を付けています。その場合、個別ブランドとしての『ダンスキン』とセレクト型ショップとしてのSIPのショップコンセプトとぶつかり合うことも起こり得ますが、一定の方向へ収斂されればうまく行くのではないかと思っています。双方が主張しあってハレーションが起こっても構わないと思います。そういうアクセントがあるのがセレクトショップですから、実験すればいい」

SIPと「ダンスキン」は自社ブランド同士の事例だが、他社と協業するケースも増えている。アウトドア卸のサンリバー(大阪市)の直営店「SORA」(ソラ)と組んだ「TNF」ショップの事例もある。今年4月、東京・二子玉川にオープンした「エレッセテニスクラブwithウインザーラケットショップ」は、テニス専門店、ウインザー商事との協業による新業態ショップだ。

「『エレッセテニスクラブwithウインザーラケットショップ』は軌道に乗れば、店舗数を増やしていきたいと考えています。ウインザー商事さんとも同じ考えです。ブランドにより差はありますが、『エレッセ』でも『スピード』でもコア&モアを広げていきたい。『エレッセ』はテニスというコアがまだ多少ぼやけているので、もっと明確にしたい。そのステップの1つとして、二子玉川の新業態ショップを出しました。国内で地道に、新しい市場を開拓するという努力は相当、やっていると思います」

そのアスレブランドの中で、ヘインズブランズ ジャパン(東京)と、「チャンピオン」(Ch)のライセンス契約を今年一杯で終了することを決断した。同社のアスレ分野におけるブランド・ポートフォリオに“穴”は開かないのだろうか?

「契約の継続を前提にヘインズ社と交渉を進めて来ましたが、ライフスタイル分野で両社の事業展開が重なるようになり、一方でスポーツ市場では、昨今の市場環境下ではライセンス契約をベースに両社で利益をシェアしていくことが難しいという結論に至った。極めて好調な直営店舗も含め事業譲渡という形で継承していただくことになったことで、社内外への影響を最小限にとどめる形で結論を出すことが出来ました。言わば経済合理性判断に基づき最適判断をしたということです。アスレ分野にそれ程大きな穴が開くとは思っていません。『エレッセ』『ダンスキン』『カンタベリー』もあるし、『C3fit』は総合ブランド化を進めているし、TNFでは既に(ランニングに焦点を当てた)『パフォーマンス』ラインや『マウンテンアスレチック』ラインを展開するなど、それだけの材料があれば十分、カバーして行けると思います。これらブランドで可及的速やかに穴埋めしたいと思う」