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ゴールドウイン
大江伸治 社長補佐 取締役 副社長 執行役員
引き続き、発注流動コントロールを強化

update: 2014/06/23

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海外市場は欧米を拠点に

海外市場をにらみウインターウエアを モデルチェンジした

海外市場をにらみウインターウエアを
モデルチェンジした

健闘する国内市場に加え、収益を高めるため海外市場の開拓も本格化する。利益面で貢献している韓国市場は数年来、高い成長を続けてきたこともあり、売り上げはほぼ高止まりしている状況だ。韓国内の百貨店の売り上げの伸びが止まっていると聞く。

ウインター、主力のスキーウエアにおいて今シーズンから、デザインを一新した。アウトドアテイストを取り入れたプレーンでベーシックなデザインに切り替えて受注量は減ったそうだが、これも海外展開を見据えた上での施策だという。

「海外市場の開拓に奇策があるわけではなく、売り上げはすぐに伸びないと思います。当面の取り組みは人員体制を増強することにより、何よりも自販力を付けること。それから、販売をサポートするためのプロモーションとキャンペーンも必要でしょう。現地の媒体を活用する、選手と契約する、イベントへの協賛など、方法はいろいろあると思います」

2014年3月期連結 財務諸表

2014年3月期連結 財務諸表

最後に、財務面に少し触れておく。前述の通り、懸案だった有利子負債も39億円と漸減し、自己資本が増加したこともありD/Eレシオは0.164倍にまで改善、正常域に達した。純資産が260億強にまで増えたが、退職給付の引き当てに約20億円を充当したため、バランスシート上では243億円となっている。

「財務面でのリスク要因はほぼなくなって、余力が出てきた。特別損失では減損損失など、処理できるものは全て計上しました」

「CH」のアスレチックウエアなど、一部立て直しが必要なブランドもあるが、いよいよ本格的な成長路線に乗り始めたようだ。今期(2015年3月期)の見通しは微増収微減益と手堅い予算を組んでいるが、上振れする可能性は十分ある。

略歴
大江伸治(おおえ・しんじ)氏 1947年生まれ。71年4月、三井物産入社。99年7月、同社本店繊維本部長付シニアスタッフ。00年6月、ゴールドウイン常務取締役として出向。03年1月、三井物産サービス本部本部長補佐。04年4月、同社理事コンシューマーサービス事業第一本部副本部長。07年6月、ゴールドウイン取締役専務執行役員。10年4月、副社長執行役員事業統括本部長兼総合企画本部長。12年4月、副社長執行役員総合企画本部長。14年4月から現職。