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デサント 代表取締役社長 石本雅敏 氏
「再度、強みのスポーツアパレルを強化する」

update: 2013/07/22

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国内は在庫削減が最優先課題

最も力を入れる「デサント」ブランド (13年春夏モデルより)

最も力を入れる「デサント」ブランド
(13年春夏モデルより)

グローバル化において重要な役割を担う日本。その課題は、在庫(棚卸資産)の削減が最優先事項である。前期(13年3月期)で100億円を突破した棚卸資産を前々期並みの80億円台前半にまで減らす計画を立てている。すでに処分売りを始めており、また同時に(新規ブランドを除き)来期の既存ブランドの商品投入量も絞り込む計画だ。今期は在庫調整局面だが、来期以降にその効果が表れてくるという。

「この5年間で国内売り上げは95%と減少しているが、在庫は135%と増えています。当社は過去に在庫で存続の危機に立ったことがあるし、今までの経験からも2年、3年かけて少しずつ減らしていくのはものすごく難しい。国内売り上げはまだ伸ばせる余地があると考えているので、その土台を作る意味合いでも、今年1年間は在庫を適正化する期間に位置付けています」

在庫の適正化と同時に、生産面での効率化にも取り掛かる。同社では1シーズンに全ブランドで200以上の工場へ生産を依頼している。今後は工場の数を減らして素材や生産拠点を集約する。物流費などの削減も含めて効率化を図る。

「『ヒートナビ』や『サンスクリーン』など共通の横軸展開素材に留まらず、新たにロジスティクス統括部という横軸の部署を作ったのは、生産や開発、物流などの改善に意味があると判断したからです。開発ノウハウを一元化できること、戦略商品が横軸展開しやすくなること、生産地を集約できるなどのメリットがあります」

今期(14年3月期)から、新たに8つの統括部制に組織を改編した。ブランド別、種目別のほか、ホールセール、リテール、前述のロジスティクスなど組織をコンパクトに再編した。

「この組織改編の狙いは経営のスピードアップです。組織が大きくなり過ぎた弊害か、マーケティングとセールスのトップが合意しなければ話が先へ進まず、また各部署間の齟齬が埋まらないと不信感も増えるというデメリットがあるのでは、と感じていました。コンパクトな組織にすることで、スピード感を高めたいと考えました。私自身、以前よりも現場の責任者である統括部長と話すことが多くなりました。統括部長間のコミュニケーションは増えていると思います」