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アシックス
執行役員 グローバルアパレル・エクィップメント統括部長
西谷 透 氏
アパレルの連結売上比率30%を目指す

update: 2013/07/11

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生産拠点もグローバル化

アパレル商材のグローバル化と同時に必要不可欠なのは生産拠点のグローバル化だ。現状はまだ中国の生産比率が高いが、いわゆる“チャイナプラスワン”を見据えた再編は始まっている。

「機能性素材は、中国における日本向け素材の70%が海外の材料。海外で調達できない高機能素材は日本から持ち込んでいます。機能性素材も中国以外だと、台湾やタイなどで調達できるようになってきました。合繊系は100%、東南アジアで作っていると言っても過言ではありません。米国向けの機能素材もアジアが主力です」

「中国の生産拠点は、賃金上昇の懸念はあるが安定してきています。しかし、チャイナプラスワンの動きは確実にある。当社の中国生産比率は来年度には70%以下に、2015年では60%を切ると思います。ただし、ゼロになることはないと思う。短納期が可能だし、日本からも近い。川上と川下が近い構造が出来上がっているため、50%くらいを中国で残さざるを得ないと思います。日本での国内生産は小ロット・短納期が主体になっていくでしょう」

一方、日本の自社工場で展開しているチームオーダーシステム「オーダーコンポ」を海外へ移植する構想もある。

「海外のチームオーダーはアナログなので、現地で仕組みを構築した方が安がりかもしれません。しかし国内は自社工場で縫製していますが、海外は信頼のおける協力工場が必要になってきます。生産拠点の確保も課題です」

中計「AGP」の最終年度2015年度まで約3年。そのときにはさらに、アシックスのアパレルビジネスの体制構築が進み、全容も明確化しているだろう。

略歴
西谷透(にしたに・とおる)氏 1979年、アシックスに入社。2009年4月、江蘇愛世克私有限公司総経理。2011年4月、GAPEQ(グローバルアパレル・エクィップメント)統括部・副統括部長。2012年4月から現職。