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株式会社デサント 代表取締役社長 中西悦朗氏
「グローバルなマインドが強くなってきた」
次期3カ年計画、キーワードは“世界”

update: 2012/12/17

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国内スタッフの意識も変化

13年スタートの「ジェノーム」

13年スタートの「ジェノーム」

社長就任から5年半が経過した。その間、社内的には素材の共有化など効率化を進め、対外的にはグローバル化を推し進めてきた。その成果は数字に表れてきているが、社員の意識はどう変化しているのか。

「社員の変わった点は、グローバルなマインドが強くなってきたことでしょう。5年前は海外売上の貢献度がすごく低かったし、韓国も小さい数字だった。物事を各地域で別々に考えていた節がありました。ともすれば、海外へ行ってしまうと本社とのコミュニケーションが不十分で、孤独感を覚えるレベルだったと思う。その意識が、一緒になって開発するんだという方向に変わってきた。国内外のどちらで儲けても連結決算の中では同じだという風に変わってきました。ルコックインターナショナルやアンブロ本社とのコミュニケーションも含め、一人一人がグローバルに物事を考えられるようになった」

「グローバル化は何も企画や営業部隊だけに限られたことではありません。社内を統括する『スタッフ部門』に『海外事業統括チーム』を設け、海外の要望や不平不満、駐在員の家族の相談や海外研修生の対応など、福利厚生の役割も含め、営業やマーケティング部隊の橋渡し役を担っています。『スタッフ部門』からの海外出張が増えているのですが、すごく良い事だと思います。常々、現場の声を大事にしようと言っていますが、社内に籠りがちな部門も海外とのコミュニケーションを通じ、現場の一端を知ることができます」

来春の新中計発表と併せ、組織改編も計画している。現在は、商品企画を担当し全ブランドを抱える「マーケティング部門」、小売店向けの営業活動を担う「セールス部門」、社内の管理を統括するいわゆる総務部的な位置付けの「スタッフ部門」、海外事業を担当する「海外セールス部門」の4部門で構成する。

「横のコミュニケーションは密になってきたが、調整すべき点はあります。ブランドによっては深掘りが必要な場合もあるでしょう。物を企画する人、実際に物を作る人、物を売る人、プロモーションを考える人、実際に現場で物を売る販売員の人、この5つの組織で本当にコミュニケーションが良くなった時に、いい意味で会社は爆発する。そういった事をやりやすい組織を常に考えなくてはいけません」

略歴 中西悦朗(なかにし・えつろう)氏 1948年生まれ。71年4月、伊藤忠商事に入社。96年4月、プロミネント香港 社長。2001年6月、執行役員 Itochu International Inc. 北米繊維部門長。05年4月、伊藤忠商事 常務執行役員 繊維カンパニー エグゼクティブバイスプレジデント兼テキスタイル・製品部門長。07年6月、デサント顧問。同年同月20日から現職。