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アシックス 2014年3月期連結
国内外好調、過去最高収益に
ランニング関連が貢献

update: 2014/05/12

アシックスの2014年3月期連結決算は、欧米を中心に海外ビジネスが好調だったことに加え、国内売り上げも増加し、増収増益になった。売り上げ、各利益ともに過去最高値を更新した。ランニング関連商材の貢献度が高かった。

主力のシューズが続伸

連結売上高は3,294億円(26.6%増)と大幅な増収だが、為替の影響を除くと10.3%増になる。引き続き米州および欧州が好調で、売上高・利益両面で大きく貢献した。国内は第4四半期の健闘もあり、1,003億円(6.7%増)と堅調な推移だった。概して、ランニング関連商材――シューズ、アパレルがけん引役になった。欧州ではテニスシューズも貢献した。「オニツカタイガー」も堅調だった。

商品別売上高では、主力のスポーツシューズ類が2,518億円(30.7%増、為替の影響除くと12.2%増)と続伸。売上構成比率は76.4%(2.3ポイント増)とさらに高まった。ランニングシューズは連結で1,619億円(37.8%増)と稼ぎ頭。国内ではランニング(10.5%増)、ベースボール(34.5%増)、ウオーキング(7.0%増)など各カテゴリーのシューズが貢献した。また欧州ではランニングウエアが53億円(55.7%増、現地通貨ベースで24.3%増)と大きく増収した。

売上総利益率はほぼ横ばい。販売管理費は、欧州の人件費の値が低いことによる影響で減少。また広告宣伝費は積極的なブランドプロモーションを推し進めているため、0.3ポイント増加した。D/Eレシオが増加しているが、これは新株予約権付社債を新たに発行したことによるもの。

今期も引き続き、ランニング関連、欧米市場がけん引役になると予測する。今期(2014年12月期)から決算期を12月期に変更するため、国内は4−12月の9カ月間の変則決算になる。従って2014年12月期は、海外はすでに12月期のため12カ月分の業績が含まれるが、国内は9カ月分だけが計上される。通期では2014年3月期並みの業績を予想。旧来の3月期と同期間の比較では、売上高が13.0%ほど増収する計算になる。

中期の5カ年経営計画「AGP2015」の数値目標は変更しない。2015年12月期までに連結売上高4,000億円の達成を目指す。