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外資系上場スポーツ企業、2021年12月期の業績展望──① adidas Group
コロナ禍から着実に復調、利益率が高まる

update: 2022/01/26

adidas Group、2020年12月期 財務数値一覧(表1)

adidas Group、2020年12月期
財務数値一覧(表1)

2021年12月期の外資系上場スポーツ企業の本決算開示を間近に控えた現時点で、主要各社の業績を展望する。1回目は、adidas Group(アディダス社)を取り上げる。前期(2020年12月期)はコロナ禍の影響で2ケタの減収減益と苦戦を強いられたが、2021年度は着実に業績が回復してきている。

第3四半期時点で、5期前の利益額を上回る

adidas Group、2016年12月期  財務数値一覧(表2)

adidas Group、2016年12月期
財務数値一覧(表2)

adidas Group の2020年12月期(2020年度)はコロナ禍の影響で2ケタの減収減益だった。連結の売上収益は198億4,400万ユーロ(約2兆5,003億4,400万円、1ユーロ=126円で換算)、16.1%減。営業利益は7億5,100万ユーロ(約946億2,600万円、同)、71.8%減と大きく落ち込んだ。

5期前の2016年12月期(2015年度)と比較すると、売上額はわずかに上回ったが利益額は半減した。コロナ禍という不可抗力があったとは言え、業績が足踏みしたことがよく分かる。効率性指標も全体的に低迷したほか、借り入れが増えた影響もあり、流動性指標も悪化傾向だった。

adidas Group、2021年12月期 第3四半期 財務数値一覧(表3)

adidas Group、2021年12月期
第3四半期 財務数値一覧(表3)


2021年12月期は第3四半期まで順調に推移している。5期前の利益額を上回っている。通期では為替ニュートラルで20%の増収を見込んでいる。売上額は約238億1,200万ユーロ(約3兆479億3,600万円、1ユーロ=128円で換算)の見通しだ。