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外資系主要上場スポーツ3社、2021年12月期 第3四半期まとめ
軒並み2ケタの増収、利益を確保

update: 2021/12/06

外資系主要上場スポーツ企業3社、2021年12月期 第3四半期 財務数値一覧(表1)

外資系主要上場スポーツ企業3社、2021年12月期
第3四半期 財務数値一覧(表1)

外資系の主要上場スポーツ企業3社の2021年12月期第3四半期(1-9月)連結決算が出揃った。コロナ禍の影響から回復し、軒並み2ケタの増収を達成したほか、大幅な増益または黒字回復を果たした。

欧米地域を中心に復調傾向

対象にしたのは、adidas AG(アディダス社)、PUMA(プーマ社)、Under Armour,Inc.(アンダーアーマー社)の3社。いずれも12月期決算で、9月末日に第3四半期を迎えた企業だ。

アディダス社の連結売上収益は、160億9,600万ユーロ(約2兆602億8,800万円、1ユーロ=128円で換算)、21.1%増と2ケタの増収。売上総利益率(粗利率)は51.2%(0.9ポイント増)とやや改善したほか、販管費比率が低下したことで営業利益が19億2,000万ユーロ(約2,457億6,000万円、同)、269.1%増と大幅に改善した。

外資系主要上場スポーツ企業3社、2021年12月期 第3四半期 セグメント別売上高(表2)

外資系主要上場スポーツ企業3社、2021年12月期
第3四半期 セグメント別売上高(表2)

地域別の売上推移は、主力の「EMEA」が59億2,800万ユーロ(約7,587億8,400万円、同)、24.8%増。「North America」は38億200万ユーロ(約4,866億5,600万円、同)、18.7%増と好調。伸びが鈍化したのはアジア地域で、9カ月の累計では増収を達成したが、第3四半期(7-9月)では「Greater China」が11.0%減、「Asia-Pacific」が9.6%減と苦戦した。

プーマ社の連結売上収益は50億3,800万ユーロ(約6,448億6,400万円、1ユーロ=128円で換算)、35.6%増。粗利率は47.8%(1.3ポイント増)と改善した。営業利益(EBIT=税引前利払前利益)は4億9,200万ユーロ(約629億7,600万円、同)、239.3%増と大幅に回復した。地域では「Americas」(米州)が55.5%増、部門別では「Footwear」(フットウエア=シューズ)が39.5%増とけん引役になった。

アンダーアーマー社の連結売上収益は、41億5,400万米ドル(約4,610億9,400万円、1米ドル=110円で換算)、35.3%増と2ケタの増収。粗利率が50.2%(2.4ポイント増)と改善した。「Restructuring and impairment charges」(リストラおよび減損の費用)が前期の5億4,900万米ドルから2,600万米ドルと大幅に縮小。営業利益4億米ドル(約444億円、同)を確保するに至った。

地域別売上高は、主力の「North America」(北米)が27億4,700万米ドル(約3,049億1,700万円、同)、35.9%増と好調な推移。「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)は6億4,200万米ドル(約712億6,200万円、同)、46.9%増と復調したほか、日本を含む「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)も6億1,400万米ドル(約681億5,40000万円、同)、54.5%増と健闘した。