ANTA Sports Products Limited、2020年12月期 連結決算
「FILA」ブランドが健闘、増収微増益に

update: 2021/04/07

ANTA Sports Products Limited（安踏體育用品有限公司＝アンタ スポーツ プロダクツ社）の2020年12月期連結決算は、主力ブランドの1つ「FILA」（フィラ）が健闘したこともあり、増収微増益となった。「ANTA」（アンタ）ブランドは伸び悩んだが、ほかのブランドが健闘した。コロナ禍の影響を最小限に抑えた。

「デサント」の出店も増加

連結の売上収益は、355億1,200万元（約5,326億8,000万円、1人民元＝15円で換算）、4.7％増と堅調に推移した。売上総利益率（粗利率）は58.2％（3.2ポイント増）と改善。Eコマースの売上増（53％増）などが貢献したようだ。

販管費率は増加したが、営業利益は91億5,200万元（約1,372億8,000万円、同）、5.3％増で増益を達成した。税引前利益は80億8,900万元（約1,213億3,500万円、同）、1.0％増と微増益。当期純利益は51億6,200万元（約774億3,000万円、同）、3.4％減と減益に至った（表1を参照）。

ブランド別では、「FILA」が「ANTA」を抜いて売上規模でトップになった。売上高は174億5,000万元（約2,617億5,000万円、同）、18.1％増と2ケタの増収だった。利益面でも貢献し、セグメント利益は44億9,400万元（約674億1,000万円、同）、11.7％の増益。利益額でも「ANTA」ブランドを超えた（表2を参照）。

「デサント」ブランドを含む「All other brands」（その他全てのブランド）は売上高23億1,300万元（約346億9,500万円、同）、35.4％増と好調に推移した。利益面は1億9,500万元（約29億2,500万円、同）。前年度の赤字計上から黒字化を果たした。

デサントとの合弁事業で展開する「デサント」ブランドは、期中に中国国内最初の旗艦店舗「デサント　ブラン」を北京に出店した。期末の店舗数も175店（上期から30店増）と順調に増加している。

財務面は安定している。借入金の増加でD/Eレシオが増加しているが、手元流動性比率も改善している。利益率は20％台前半で、収益性は依然、高い水準を保っている。