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外資系スポーツ上場企業3社、2020年12月期 決算まとめ
コロナ禍の影響を受けて苦戦傾向に

update: 2021/03/22

外資スポーツ企業上場3社、2020年12月期 財務数値一覧(表1)

外資スポーツ企業上場3社、2020年12月期
財務数値一覧(表1)

外資系スポーツ上場企業の主要3社の2020年12月期決算が出揃った。対象はアディダス社、プーマ社、アンダーアーマー社の3社(順不同)で、いずれも2020年12月期連結決算だ。各社共にコロナ禍に翻弄された1年となったが、アディダス社とプーマ社は利益を確保した。アンダーアーマー社は損失を計上するに至った。

今期は各社共に増収計画

ナイキ社に次ぐ世界第2位の売上規模であるadidas Groupは、連結の売上収益が198億4,400万ユーロ(約2兆5,003億4,400万円、1ユーロ=126円で換算)、16.1%減と2ケタの減収だった。第1、第2四半期――4-9月を中心にコロナ禍の影響を大きく受けた。第4四半期は各地域で復調の兆しが見られる。減収・減益という結果だったが、利益は確保した。

第3位グループの筆頭に位置するPUMAは、連結の売上収益が52億3,400万ユーロ(約6,594億8,400万円、1ユーロ=126円で換算)、4.9%減だった。アディダス社、アンダーアーマー社が2ケタの減収だった事に対し、同社は1ケタ台半ばの減収にとどまった。第4四半期(10-12月)に限定すると、為替ニュートラルで全地域において増収を達成した。3社の中では、最も回復が早いと言える。

外資スポーツ企業上場3社、2020年12月期 セグメント別売上高(表2)

外資スポーツ企業上場3社、2020年12月期
セグメント別売上高(表2)

回復が遅れているUnder Armour,Inc. は、連結の売上収益が44億7,400万米ドル(約4,608億2,200万円、1米ドル=103円で換算)、15.1%減で2ケタの減収だった。「Restructuring and impairment charges」(事業の再構築および減損費用)6億100万米ドル(約619億300万円、同)が響き、6億1,300万米ドル(約631億3,900万円、同)の営業損失を計上するに至った。3社の中では回復が遅れている。

通期(2021年12月期)の業績見通しは、アディダスとプーマが2ケタの増収、アンダーアーマーが1ケタ台後半の増収。前期にコロナ禍で落ち込んだ売り上げが回復すると予測している。まだ予断を許さない状況だが、各社ともに収益の回復の道程を固めつつあるようだ。