TOP > 財務分析レポート > ゴールドウイン、2020年3月期 決算説明...

ゴールドウイン、2020年3月期 決算説明会
今春の商況は順調に回復中

update: 2020/06/22

< 前のページへ1ページ2ページ

今期の4-5月は半減するも6月は復調、ECが健闘

今期(2021年3月期)の第1四半期は、4月が前年同期比51%、5月が同56%だった。スポーツ量販店など卸ビジネスが貢献し、収益の大きな減少を支えた形だ。ECビジネスも、売上比率は前期(2020年3月期)で9.0%(1.9ポイント増)とまだ低いが、売上高は88億円(45.9%増)と健闘した。6月は、ほぼ全店が営業を再開したこともあり、自主管理売り場も回復基調にある。

今年の春夏シーズンでは、マークダウンを前倒しするアパレル関連企業も見られるが、同社では「性急なマークダウンはしない」(渡辺社長)方針だ。20年秋冬、21年春夏を見据え、在庫の適正化を計画。着実に利益を確保すると同時に、アウトレットなども活用して「ブランド価値を損なわないよう、在庫の消化を丁寧に行っていく」(同)。

前述したECビジネスの売り上げは今期も順調である。EC売り上げの約60%が自社サイトだというが、今年の4-5月は前年同期130%強の2ケタ増と好調な推移だった。現在、システムのリニューアル中だが、「リアル店舗との連動を図りたい。また顧客に対し、“体験”してもらえるサイトの開発も進めたい」(渡辺社長)。ECへの投資も継続する。

新規出店も積極的に実施

ゴールドウイン、2020年3月期 ブランド事業別売上高(表2)

ゴールドウイン、2020年3月期 ブランド事業別売上高(表2)

新規店舗については、「積極的に出店する」(渡辺社長)。通常、出店計画は1-2年前から立案するため、すぐに中止することが難しい面もある。“三密”を避けつつ、慎重な店舗運営を心掛けるという。

新業態における新しい試みの1つが、昨年11月にオープンした「渋谷パルコ」の「THE NORTH FACE LAB」(ザ・ノース・フェイス ラボ)。店内に3Dスキャナールームを設置し、顧客の体形に合わせたカスタムウエアを提供している。現在は6型の既製品を提供しており、サイズ、カラー配色などを選ぶことができる。

「ザ・ノース・フェイス」のほかに、社名ブランドの「ゴールドウイン」や「ダンスキン」「エレッセ」なども強化ブランドだ。直近では、リブランディングの一環として「エレッセ」の新コンセプトショップが三井不動産の再開発事業施設「MIYASHITA PARK」(ミヤシタ パーク)内に出店する予定(7月末ごろ)。「ゴールドウイン」の店舗もグローバルで展開する計画だ。