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デサント、2020年3月期 連結決算
韓国ビジネスの苦戦やコロナ禍で、減収減益に

update: 2020/05/25

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国内の新たな売り上げの伸び代として DTCを強化する

国内の新たな売り上げの伸び代として
DTCを強化する

デサントの2020年3月期連結決算は、不買運動による韓国ビジネスの苦戦や新型コロナウイルスが影響し、減収減益に至った。当期損益は24億8,100万円(前期は当期純利益39億4,400万円)の損失。当期損失の計上は2002年3月期以来、18年ぶり。

「デサント」ブランドが健闘見せる

デサント、2020年3月期 財務数値一覧(表1)

デサント、2020年3月期
財務数値一覧(表1)

連結売上高は1,245億6,100万円(12.6%減)。売上高総利益率(粗利率)が減少し、販管費が増加したこともあり、営業利益は3億7,900万円(95.2%減)と大幅な減益となった。経常利益は4億5,600万円(94.6%減)の減益。当期損益は、「イノヴェイト」事業からの撤退損や減損損失など特別損失の計上も加わり、18年ぶりの当期損失24億8,100万円を計上するに至った(表1を参照)。

地域別では、収益の主力の1つである韓国が下期の不買運動の影響を受けて、売上高が142億2,000万円の減579億円(19.8%減)と苦戦した(為替の影響を除くと100億円の減収)。営業利益では、80%が減少した。日本は同541億円(4.8%減)の減収。コロナ禍で特に3月度の落ち込みが大きく、27億円のマイナスとなった。中国(香港、台湾を含む)は同71億円(9.0%減)だった。

デサント、2020年3月期 部門別・ブランド別売上高(表2)

デサント、2020年3月期
部門別・ブランド別売上高(表2)


ブランド別の売上高では、主力の「デサント」が518億円(18.0%減)と苦戦した。特に韓国市場での落ち込みが大きかった。日本市場では増収を達成し、健闘した。中国市場でも、アンタ社との合弁事業が好調で、売上高が137億円(71.3%増)と大きく成長した。「ルコックスポルティフ」は342億円(10.5%減)。「デサント」同様、韓国市場が苦戦した。日本国内も伸び悩んだ。「マンシングウェア」は114億円(10.2%減)と2ケタの減収。「アリーナ」も67億円(4.3%減)と苦戦傾向だった。「アンブロ」が73億円(1.4%増)と堅調な推移だった(表2を参照)。