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主要外資系スポーツメーカーの業績展望 Vol.1「NIKE,INC. 」
堅実に業容が拡大するナイキ社

update: 2020/01/27

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NIKE,Inc. 2019年度・2016年度 財務数値一覧(表1)

NIKE,Inc. 2019年度・2016年度
財務数値一覧(表1)

主要外資系スポーツメーカーのほとんどは、決算期が12月期(アディダス、プーマ、アンダーアーマー。日本ではアシックス)だ。NIKE,INC.(ナイキ社)のみ、5月期である。ナイキ社の1社を除いて、来月2月に2019年12月期──2019年度の本決算が出揃うことになる。決算ラッシュを控え、主要各社の業績を展望する。第1回目はナイキ社を取り上げる。

北米は安定、中華圏が急成長

ナイキ社の業績比較には、2019年5月期および2016年5月期の数値を使用した。2019年の売上高は391億1,700万米ドル(約4兆2,246億3,600万円、1米ドル=108円で換算)、7.5%の増収だった(為替換算は当時のレート)。それに対し、2016年5月期は323億7,600万米ドル(約3兆5,613億6,000万円、1米ドル=110円で換算)、5.8%増。売上規模は着実に拡大している(表1を参照)。

NIKE,Inc. 2019年度・2016年度 セグメント別・ブランド別売上高(表2)

NIKE,Inc. 2019年度・2016年度
セグメント別・ブランド別売上高(表2)

利益面は大きな変化がない。営業利益は2016年が45億200万米ドル(約4,952億2,000万円)、2019年が47億7,200万米ドル(約5,153億7,600万円)。税引前利益は、2016年が46億2,300万米ドル(約5,085億3,000万円)だったのに対し、2019年は48億100万米ドル(約5,185億800万円)で、当期純利益は2019年が40億2,900万米ドル(約4,351億3,200万円)。売上規模の増加ほどの増益は達成していないが、利益額は堅実に増加している。

地域別では、主力の「North America」(北米)地域が安定した収益を確保している。2016年と2019年を比較しても──これを安定と見るか、成長の鈍化とみるかは別として──大きな変化はない。成長著しいのが「Greater China」(中華圏)で、2016年の37億8,500万米ドルに対し、2019年は62億800万米ドルまで増収した(表2を参照)。