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アシックス、2018年12月期 連結決算
米州が苦戦、減収減益に
前倒しで損失を計上

update: 2019/02/14

アシックス、2018年12月期 財務数値一覧(表1)

アシックス、2018年12月期
財務数値一覧(表1)

アシックスの2018年12月期連結決算は、米州ビジネスが苦戦したこともあり、減収減益となった。日本ビジネスは、「オニツカタイガー」などが健闘したものの、ランニングシューズ等が苦戦し、微減収となった。

2020年へ向けて、攻勢を強める

連結売上高は3,866億6,200万円(3.4%減)の減収。DTC(ディレクト・トゥ・コンシューマー=直営ビジネス)の比率が高まったこともあり、売上高総利益率(粗利率)は46.7%(0.9ポイント増)と改善した。

米州や欧州などのビジネスが伸び悩んだことが、収益性の低下につながった。日本ディビジョンは微減。アジアでは、China市場は好調だったが、韓国ビジネスが苦戦した。自社運営のECサイトの売上高は147億円(50.0%増)。売上比率は4.0%。DTCの売上高は845億円(11.0%増)で、売上比率は22.0%と着実に増加している。

当期純損益が、203億2,700万円(前期は129億7,000万円の黒字)と損失となったが、これは前倒しで、バランスシート上の損失を先行して計上したことによる影響が大きかった。不採算店舗やのれん等の減損損失など計230億円の特別損失を計上し、バランスシートを健全化する狙いがあった。「(収益を加速させる2020年度へ向けて)2018年度までに、(財務面で)身軽になる必要があった」(廣田康人代表取締役社長COO)。今期以降は、積極的に投資を進め、東京オリンピックが開催される2020年度を契機に、同社の収益性を飛躍的に向上させる構想を描いている。

今期(2019年12月期)の業績見通しは、連結売上高3,900億円(0.9%増)、経常利益100億円(14.1%増)。来期以降を飛躍の年にするべく、今期は、その足固めの期間に位置付けている。