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スポーツ上場6社、2018年3月期 連結決算まとめ(下)
海外ビジネスが収益に及ぼす影響大

update: 2018/05/22

スポーツ上場6社、2018年3月期決算まとめ(下) 地域別・部門別売上高(表1)

スポーツ上場6社、2018年3月期決算まとめ(下)
地域別・部門別売上高(表1)

スポーツ上場企業6社の2018年3月期決算まとめ。対象企業は美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット、グローブライド(順不同)だ。海外ビジネスに伸び代を求める傾向が強くなっているが、その推移の成否が業績に及ぼす影響も大きくなっている。

国内主体で健闘したゴールドウイン

各社の収益構造は年々、個性を増している。背景には、各社が強みを深掘りしていることが影響しているが、海外市場を開拓するという点では一致している。ミズノの海外比率は30%(2ポイント減)。デサントは60%(1ポイント増)とさらに増加している。ヨネックスは49.8%(0.1ポイント増)でほぼ横ばいだった(表1を参照)。

ミズノは日本ディビジョンが主力だが、品目別ではバランスが良い。デサントは地域別では日本とアジアでバランスが取れているが、アパレル関連の売り上げが87.1%と偏りがある。シューズ類は12.9%で、ここが今後の強化ポイントである。ヨネックスはバドミントン用品が海外主流(約68%)、テニス用品が国内主流(約72%)という売上構造だ。

スポーツ上場6社、2018年3月期 財務諸表(表2)

スポーツ上場6社、2018年3月期
財務諸表(表2)

ゴールドウインは連結売上高の90%以上を日本市場が占めている。もちろん他社同様、欧米やアジアにおいてスキーウエアや機能アンダーなどの拡販を進めているが、規模はまだ小さい。収益の柱になっているのは、「ザ・ノース・フェイス」ブランドを主力とした「アウトドア関連」ビジネス。秋冬シーズンの気温の冷え込みも後押しし、当期は記録的な増収・増益を達成した。「実需型ビジネスが浸透してきた」(西田明男 代表取締役社長)ことが好業績につながったと分析する。

同社はスポーツ関連業界において、最もSPAビジネスの体制構築が進んでいる企業の1つだろう。140店舗の直営店、および卸先の自主管理売り場がバランス良く売り上げを伸ばしており、収益の強力なエンジンになっている。また昨年、富山のオフィスに整備した研究・開発施設「ゴールドウイン テック・ラボ」は、「販売までの一貫した企画・開発を強化する」(西田社長)拠点に位置付ける。中期計画の営業利益および経常利益の目標数値を3年前倒しで達成した同社。今期中に新しい数値目標を盛り込んだ計画を発表する。(終り)