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美津濃、2018年3月期 連結決算
日本ビジネスが堅調、効率化が進み増益を達成

update: 2018/05/10

美津濃、2018年3月期 財務諸表(表1)

美津濃、2018年3月期
財務諸表(表1)

美津濃(ミズノ)の2018年3月期連結決算は、米州および欧州が苦戦したが、日本ディビジョンが健闘したことで、増益を達成した。売上高は、主に米州の市場在庫の適正化・利益確保を優先したことによる影響で、減収に至った。売上原価の削減、苦戦していたゴルフ事業の復調が収益の向上に貢献した。

競技系、ゴルフビジネスが復調

同社の財務数値は非常に安定している。当期は損益計算書が大幅に改善したことで、貸借対照表の主要な数値も改善している。商品回転率は3.3回転(0.1ポイント増)と改善したほか、交差比率も、売上高総利益率(粗利率)の改善により、40.6%(3.1ポイント増)と大幅な改善が見られた(表1を参照)。

粗利率の改善は主に、連結売上高の主力を占める日本ビジネスの効率化が大きい。仕入原価の低減が進んだことで、粗利率が改善した。連結決算では全般的に、ランニングシューズなどの「フットウエア」(スポーツシューズ類)が苦戦したが、日本ディビジョンでは、野球や卓球、バレーボールなどの競技スポーツ、また苦戦していたゴルフビジネスが、カスタムクラブを中心に健闘した。

美津濃、2018年3月期 地域別・品目別売上高(表2)

美津濃、2018年3月期
地域別・品目別売上高(表2)

米州は、利益確保を優先したため、減収・損失計上に至った。しかし、前記の営業損失25億円に比べ、当期は2億円と損失の幅が縮小している。欧州はゴルフビジネスが復調傾向だったほか、テニスやインドアスポーツのシューズなどのビジネスが好調に推移した。

アジア・オセアニア地域は全般的に堅調な推移だった。China市場では直営店の見直しを進める。競技スポーツ――サッカー、バドミントン、卓球などの拡販に力を入れる方針だ。China市場では、EC(通販)ビジネスも強化ポイントの1つである。

通期の業績見通しは、連結売上高が1,900億円(2.5%増)、営業利益が90億円(11.9%増)、経常利益が90億円(11.0%増)。