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アシックス、2017年12月期 連結決算
欧米の落ち込みをアジア地域がカバー、微増収・減益に
中計の目標数値を下方修正

update: 2018/02/20

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アシックス、2017年12月期 財務諸表(表1)

アシックス、2017年12月期
財務諸表(表1)

アシックスの2017年12月期(2017年度)連結決算は、米州・欧州が苦戦したが、アジアやオセアニアがカバーし微増収となった。利益面は欧州の減収と輸入為替レートの悪化、宣伝費および本社機能強化費用の増加で減益に至った。為替の影響を除くと、減収・減益で、売り上げが伸び悩んだ。また、2020年までの中期経営計画の目標数値を下方修正している。

各地域で明暗が分かれる

連結売上高は4,001億円(0.3%増)。為替の影響を除くと、2.0%減の減収となる。うち海外売上高が2,990億円(0.5%増)で、売上比率が74.7%(0.2ポイント増)と微増した。為替の影響を除くと、2.6%減になる。DTC(Direct To Consumer)事業の売上高は858億円(10.3%増)と2ケタ増だった。売上比率も21.5%(2.0ポイント増)と増加した。

アシックス、2017年12月期 部門別売上高(表2)

アシックス、2017年12月期
部門別売上高(表2)

主力地域の収益が悪化したが、アジアやオセアニア地域が健闘した。日本および欧州は減収・減益だった。米州は減収だったが、原価率の改善と貸倒引当金の繰入額が減ったことで営業利益が増加した。アジア・オセアニアは、ランニングシューズを中心に好調な推移だった(表2を参照)。売上規模では、日本・米州・欧州が1,000億円台前半と同じ数値になっている。収益面でも、この3つの地域がけん引役になっている。アジア・オセアニアは2ケタの増収で、利益率も高い。

製品別売上高では、スポーツシューズ類が3,333億円(1.1%増)と引き続き主力を占めている。ウエア類が479億円(6.4%減)と減収したため、さらにシューズの比率が高まった。シューズ類では、「ランニング」が2,300億円(0.8%増)と主力。連結売上高においても、約57%と過半数を占めている。「オニツカタイガー」「アシックスタイガー」の「ライフスタイル」カテゴリーが532億円(3.5%増)と堅調な推移だった。