TOP > 財務分析レポート > 外資系スポーツメーカー3社、2017年12月...

外資系スポーツメーカー3社、2017年12月期 第3四半期
アディダス・プーマが好調、アンダーアーマーが苦戦

update: 2017/11/27

外資系スポーツ企業、2017年12月期 第3四半期 財務諸表(表1)

外資系スポーツ企業、2017年12月期
第3四半期 財務諸表(表1)

主要な外資系スポーツメーカー3社(アディダス、プーマ、アンダーアーマー)の2017年12月期(2017年度)第3四半期(1-9月)は、明暗が分かれた。アディダス、プーマが2ケタの増収・増益を達成したが、アンダーアーマーは1ケタ台前半の増収で、大幅な減益に至った。

アジア圏が新たな成長分野に

アディダスの第3四半期の連結売上高は、161億6,200万ユーロ(約2兆1,333億8,400万円、1ユーロ=132円で換算)、15.6%増と2ケタ増を達成した。売上高総利益率(粗利率)も50.1%(0.9ポイント増)と改善。営業利益は19億3,800万ユーロ(約2,558億1,600万円、同)、25.8%増と2ケタの増益だった。税引前利益も18億9,900万ユーロ(約2,506億6,800万円、同)、24.5%増で、利益率は高い水準を保っている。

プーマの同連結売上高は、30億9,500万ユーロ(約4,085億4,000万円、1ユーロ=132円で換算)、16.0%増と2ケタ増。粗利率が47.3%(1.2ポイント増)と改善した。販管費率の削減──40.7%(1.5ポイント減)──が進んだことも増益に貢献した。営業利益(EBIT=利払い前税引前利益)は2億1,400万ユーロ(約282億4,800万円、同)、89.2%増。税引前利益は2億800万ユーロ(約274億5,600万円、同)、95.8%増だった。

外資系スポーツ企業、2017年12月期 第3四半期 地域別・セグメント別売上高(表2)

外資系スポーツ企業、2017年12月期
第3四半期 地域別・セグメント別売上高(表2)

アンダーアーマーの同売上高は、36億1,100万米ドル(約4,044億3,200万円、1米ドル=112円で換算)、2.6%増で、粗利率は45.7%(1.4ポイント減)と減少した。営業利益は6,400万米ドル(約71億6,800万円、同)、74.7%減。税引前利益は3,800万米ドル(約42億5,600万円、同)、83.8%減と大幅な減益だった。販管費率の増加も影響した(表1を参照)。

アディダスは全地域で増収を達成したが、中でも北米・中華圏の伸びが26%台とけん引役になった。日本地域は売上高が8億500万ユーロ(約1,62億6,000万円、同)、9.3%増と健闘した。プーマは全地域で2ケタの増収だった。特に伸び率が大きかったのは、EMEA(欧州・中東・アフリカ)。商品別では、シューズ類が15億700万ユーロ(約1,989億2,400万円、同)、24.5%増とけん引役になった(表2を参照)。

アンダーアーマーは主力のNorth America(北米)が売上高27億7,800万米ドル(約3,111億3,600万円、同)、5.3%減と苦戦した。セグメント利益も6,400万米ドル(約71億6,800万円、同)、74.5%減と大幅に減少し、利益の足を引っ張った。規模は小さいが、EMEA(Europe,the Middle East and Africa)およびLatin America(ラテンアメリカ)が増益を達成した。ラテンアメリカは営業損失2,600万米ドル(約29億1,200万円の損失)を計上した。