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2017年3月期 連結決算①
美津濃──米州の苦戦が響き、減収減益に

update: 2017/05/16

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美津濃、2017年3月期 財務諸表(表1)

美津濃、2017年3月期
財務諸表(表1)

美津濃(ミズノ)の2017年3月期(2016年度)は、米州の苦戦が影響したほか、円高による為替のマイナス要因もあり、減収減益に至った。第4四半期の売上高が当初予測を上回ったため、減収幅および減益幅は縮小した。国内事業が競技スポーツ、スポーツ施設事業の後押しもあり、堅調に推移した。

国内事業は堅調な推移

連結売上高は1,887億円、営業利益は14億円、経常利益は15億円。為替のマイナスの影響で、売上高が83億円押し下げられた。売上高総利益率(粗利率)はコストの増加などが影響し、1.1ポイント減少した。販管費率も減少したが、粗利率の下げ幅分を吸収できなかった。商品回転率は前期同様の3.2。資本回転率もほぼ前年並みだった。流動性指標は改善の傾向が見られる。D/Eレシオも改善している(表1を参照)。

主力の日本事業は売上高1,285億円(1.7%増)と健闘した。ゴルフは苦戦したが、前述の競技スポーツ、スポーツ施設受託事業が貢献した。具体的には、バレーボールが5%増、テニスが5%増、スイムが12%増、卓球が6%増など。野球では、プロチームのライセンスビジネスが好調だった。

米州はパフォーマンスランニング市場の減速が影響して流通在庫が増えたこと、大手小売店の経営破たんの影響もあり、減収・損失計上に至った。課題だった在庫の整備にも一定のめどがつき始めており、反転攻勢の条件が整いつつあるという。欧州は為替の影響を除いた売上高が前年比11%増と堅調だったが、為替差損が影響した。ハンドボール・バレーボールなど“インドアスポーツ”のシューズが好調だった。アジア・オセアニアは堅調な推移だ。為替を除いた売上高は9%増。中国のゴルフ工場のリストラ費用が5億3,500万円かかったが、実質的に増収増益を達成した。