主要スポーツ上場6社、2017年3月期を展望する(上)
ますます重要度が増す国外市場
update: 2017/05/08
主要スポーツ上場企業6社の2017年3月期決算が間もなく開示される。アシックスの12月期への決算期変更により、上場している主な3月期のスポーツ企業は6社(美津濃、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット、グローブライド)が対象だ。決算数値の発表を控えた現時点で、その見通しをまとめた。
収益の増減にウエート占める海外ビジネス
2017年3月期で、増収増益を計画しているのはヨネックス、グローブライドの2社。グローブライドは経常段階で減益の見通しだ。第2四半期決算で業績修正されたケースが多く、美津濃(ミズノ)、デサント、グローブライドは下方修正した。ゴールドウインも業績修正を行ったが、第2四半期時点での上方修正だった。通期見通しは変更していないが、上振れする可能性は十分にある。
ミズノは、米国事業の回復が想定よりも遅れていること、国内のゴルフクラブやアパレルの伸び悩みの影響で、通期見通しを売上高1,870億円(計画値は1,930億円)、営業利益10億円(同30億円)、経常利益13億円(同18億円)に下方修正した。欧州は復調傾向にあるほか、アジア・オセアニアも堅調な推移だ。国内および米国事業の改善が注目される点である。
デサントは、好調を続けてきたデサントコリアにおいて、「ルコックスポルティフ」などを中心に計画値を下回る状況が続いているため、通期見通しを下方修正した。売上高1,300億円(計画値は1,380億円)、営業利益80億円(同104億円)、経常利益81億円(同105億円)を目指す。円高による為替レートのマイナスの影響もあるようだ。主力ブランドに成長した「デサント」などアスレチック関連が堅調で、成長基調にあることは間違いなさそうだ。
ゴールドウインは、2017年3月期の第2四半期(2016年4-9月)の業績を上方修正した。「ザ・ノース・フェイス」や「カンタベリー」などの展開ブランドの販売が堅調だったことによるもの。同時に、売上高総利益率(粗利率)の増加および販売ロスの削減が進んだことも、収益の改善に貢献した。通期は、事業譲渡した「チャンピオン」の減少分、積極的な投資、韓国ビジネスのシュリンクの影響を織り込んで、微減収減益の計画を立てている。アウトドアとアスレチックを主体にした国内ビジネスで、どれだけ収益を高められるかがポイントだろう。(続く)