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⑥外資系ブランド
ナイキ、アディダスの2強時代が続く

update: 2017/01/23

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利益確保がますます重要に

UNDER ARMOUR、2016年12月期 第2四半期 財務諸表(表3)

UNDER ARMOUR、2016年12月期
第2四半期 財務諸表(表3)

アディダスは数年来、順調に業容を拡大している。今期もこれまでのところ、着実に収益の上乗せを図っている。社長交代を控えるが、これまでの路線に大きな変化はなさそうだ。粗利率はナイキより高く、49.1%。販管費率が高いため、利益率は9%台に留まっている。商品回転率が2.8回転とやや低めで、ナイキの3.9回転に比べ、1回転少ない。“交差比率”はナイキの方が高い。流動性指標もやや低下気味である。とある国内スポーツメーカーの役員が冗談めかして、「新社長になった時、業績を伸ばしてご祝儀にするため、今は抑え気味にしている」と話していたが、果たして真相はどうだろう。

前述の通り、アンダーアーマーは売上高が順調に伸びている。通期の売上高見通しも、49億2,500万米ドルから50億米ドル(約5,700億円、1ドル=114円で換算)へ上方修正した。その半面、利益率が低い。売り上げの70%近くがアパレルで、粗利率も46.8%と比較的高い水準だが、販管費率の増加で利益率は2%台に留まっている。商品回転率が2.3(0.1ポイント減)と微減。効率性が低くなっている。売上規模が拡大していることもあるが、棚卸資産(在庫)が増加傾向にある。

PUMA、2016年12月期 第2四半期 財務諸表(表4)

PUMA、2016年12月期
第2四半期 財務諸表(表4)

プーマは業績の伸びがやや足踏み状態だったが(その間にアシックス、アンダーアーマーに追い抜かれてしまった)、第2四半期、第3四半期とようやく上向きつつある。粗利率は46.2%でナイキとアンダーアーマーの間の水準。販管費率が高いため、営業利益率は3%台である。商品回転率が微減しているほか、流動性指標も低下傾向にある。下期の勢いを本決算、2017年度にもつなげたいところだ。