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⑤ヨネックス
中国直販移行が収益増に貢献

update: 2017/01/19

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ヨネックス、2016年3月期 財務諸表

ヨネックス、2016年3月期
財務諸表

2011年3月期と2016年3月期の業績を比較・分析するシリーズ。今回はヨネックスを取り上げる。国内バドミントン市場のシェアは約70%で盤石と言っていいが、海外市場の開拓にも力を入れている。

過去5年間で収益性が向上

ヨネックス、2011年3月期 財務諸表

ヨネックス、2011年3月期
財務諸表

2016年3月期は、期首(2015年4月)から中国における直販事業をスタートした影響で、売上高が大幅に増加した。売上規模も300億円台から500億円台へ約47%増収している。売上高総利益率(粗利率)はおよそ2ポイント改善し43%になった。利益は金額も売上比率も増加した(表1、2を参照)。

財務面は相変わらず安定した数値が並ぶ。自己資本比率は70%前後をキープしているほか、有利子負債の額が小さく、手元流動性資金が潤沢なため実質、無借金の状態だ。D/Eレシオも無視していい低水準である。商品回転率が0.5ポイント減とやや低下している。

セグメント別売上高では、「日本」が引き続き主力市場だが、「北米」「ヨーロッパ」も規模は小さいが着実に業容を拡大している。最も貢献度が高いのは「アジア」地域で、16年3月期には売上高が144億円に拡大した(表3、4を参照)。これは前述の通り、中国ビジネスを代理店経由(卸ビジネス)から直販へ切り替えたことによる影響だが、今後の成長にも期待が掛かる。